2015年7月6日

『億万長者の情報整理術』加谷珪一・著 vol.4003

【株式投資で使える、情報の取捨選択法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023314218

今日は、日経平均株価が一時500円超の下げということで、肝を冷やした人が多いのではないでしょうか。

『お金持ち入門』にも書いた通り、こういう時は、本質的な価値を持つ資産を仕込むチャンスです。

やはり、お金持ちになる人は、常人とは違う考え方、情報の受け止め方をするものなのです。

そこでご紹介したいのが、お金持ちの情報の捉え方を書いた注目の書、『億万長者の情報整理術』。

著者の加谷珪一さんは、日経BP社の記者、投資ファンド運用会社を経て、数億円の資産を運用する個人投資家となり、昨年『お金持ちの教科書』でベストセラーを出した人物。

本書には、お金持ちがどんな視点で記事を読むのか、ニュースをどう捉えるのか、具体例を交えながら述べています。

株価が好調なのは、じつは年金財政が苦しいからであるという話、リニア新幹線開業はJR東海にとって長期的損失につながるという話、三菱重工のMRJの影響力は限定的、という見通し…。

投資家にとって無視できない情報がたくさん詰まっており、思わず一気に読んでしまいました。

本書には、情報を判断するための原理原則が載っており、これを押さえておくだけでも、変な情報に惑わされずに済みます。

さっそく、内容をチェックしていきましょう。

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ひとつの商品の下落は、他の商品にも波及することになり、しばらくは相場が荒れる

原油価格の下落には、世界経済にとって大きなメリットがあるのも事実です。米国のような石油の大量消費国や、日本のように加工貿易を行っている国にとっては、エネルギーコストが半減することは、利益の拡大につながります

米国の場合、生産と消費を比較すると消費の量の方が多いですから、原油価格が120ドルから50ドルに下落すると、年間約20兆円の利益となります。逆にロシアなど生産が多い国はこれに近い金額の損失が発生することになります。日本は同様の計算で約10兆円の利益となります

日本における給与所得者の上位1%は1500万円以上

日本において、給与というフローの所得だけではお金持ちにはなりにくい

日本で最もお金持ち(平均所得が高い)な市区町村は東京都港区なのですが、給与所得だけを見ると、他の市区町村と同様、ここ数年、ほとんど上昇していません。しかし、株式の売却益などを含めた総合的な所得で見ると、港区民の所得は、同じ期間で1.4倍に拡大しています

「タテ=時代」と「ヨコ=他者」と比較する

現実には、MRJの開発によって、そこまでの波及効果は得られない可能性が高いでしょう。その理由は、航空機の製造が完全にグローバル化、コモディティ化しているからです

2027年の同社の予想経常利益は現在から6割減の1740億円、2045年の予想経常利益は何と8割減の750億円まで落ち込みます。つまり、リニアを開業させるとJR東海は儲からなくなってしまうのです。しかも借金の金利は現在の低金利を前提に、長期で3%程度を前提に試算されています。もし今後金利が上昇することがあれば、同社の経常利益はすべて吹き飛んでしまうでしょう

アベノミクスの実施によって、今後はインフレが見込まれるようになり、場合によっては保有する国債に損失が発生する可能性が出てきました。このため安倍政権では、有識者会議を開催し、国債を中心とした従来型ポートフォリオの見直しについて検討を進めていたのです。GPIFはこれを受けて2014年10月に新しい運用方針を発表。運用対象を国債から株式に大胆にシフトさせることを決定しました。従来のポートフォリオでは60%ほどの割合となっていた国債の比率は35%に引き下げられ、代わりに、国内株の比率が12%から25%に引き上げられました。株式については、外国株を合わせると50%にも達します

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メディアで普通に発表されている情報や、ネット上で公開されている情報だけでも、投資で他者を出し抜くのに十分な情報が得られる、
というのが本書の主張。

お金持ちになるために情報とどう付き合えばいいのか。

お金持ちにとっては当たり前、これからお金持ちを目指す人にとっては斬新な情報の扱い方が書かれています。

ぜひ読んでみてください。

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『億万長者の情報整理術』加谷珪一・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023314218

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◆目次◆

Chapter1 普通の人の見立て お金持ちの見立て
Chapter2 マネー・インテリジェンスの基本
Chapter3 情報は願望からつくられる
Chapter4 ニュースは時間で変化する
Chapter5 情報の本質は出し手の意図にある
Chapter6 情報の価値を極限まで高めるコツ

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