2015年6月20日

『ぼくの命は言葉とともにある』福島智・著 vol.3987

【感動。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800910722

「太陽は、月を照らすことで、夜も輝くことができる」

ビジネスパーソンであれば、誰でもきっと、誰かのために貢献をしたいと思って、日々働いているはず。

しかしながら、貢献を続けているうちに、「自分は与えてあげているんだ」という傲慢さが湧いてくるのも事実です。

また、われわれは、つい自分の力だけで何かを成し遂げようとしてしまいがちですが、仕事をする際には、他者の協力が絶対不可欠。

いや、自分のものだと思っている能力さえも、もとをただせば、誰かから教えてもらったもの、与えてもらったものだったりします。

反対に、他者から与えてもらう一方の人がいたとして、与える側は、その人がいるからこそ与えることの喜びを感じることができる。

こう考えると、世の中は持ちつ持たれつでできているのです。

こんな成熟した考えを、元から持っていたわけではありません。

これまでの人生を反省するとともに、本日読んだ一冊『ぼくの命は言葉とともにある』があったからこそ、たどり着けた考え方なのです。

本日ご紹介する一冊は、9歳で失明し、18歳で聴力も失ったいわゆる「盲ろう」でありながら、東京大学教授にまで上り詰めた著者が、生きることの本質や、自己の存在理由、他者との関係に言及した一冊。

いわゆる「お涙頂戴」の感動話ではなく、著者が苦難の上に掴んだ真理に触れることで読者自身が癒やされ、涙してしまう「人生の書」です。

『夜と霧』のV.E.フランクル博士や、精神科医の神谷美恵子の言葉、トルストイの『戦争と平和』に出てくるカラターエフの科白、芥川龍之介の『杜子春』の一節、吉野弘の詩「生命は」、そして著者を支えてくれた市井の人のメッセージが登場し、著者を支えます。

読者は、これらのメッセージに触れることで、自分自身の生きている意味を見出すのです。

現在話題の珠玉の一冊、その内容を一部ご紹介しましょう。

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美しい言葉に出会ったことがある。全盲ろうの状態になって失意のうちに学友たちのもとに戻ったとき、一人の友人が私の手のひらに指先で書いてくれた。「しさくは きみの ために ある」私が直面した過酷な運命を目の当たりにして、私に残されたもの、そして新たな意味を帯びて立ち現れたもの、すなわち「言葉と思索」の世界を、彼はさりげなく示してくれたのだった

「光」が認識につながり、「音」が感情につながるとすれば、「言葉」は魂と結びつく働きをするのだと思う。私が幽閉された「暗黒の真空」から私を解放してくれたものが「言葉」であり、私の魂に命を吹き込んでくれたものも「言葉」だった

与えられている命を投げ出すことは生きたくても生きられなかった人たちへの冒涜である

生きる意味を自分の味方にするか敵にするかは自分次第です。別の言い方をすれば、自分の中にある生きる意味という「宝」を見つけ出せるか出せないか、それに気づくか気づかないか、そこが人生の豊かさを左右する分かれ目なのだと思います

人間の存在意義は、その利用価値や有用性によるものではない(神谷美恵子氏)

命を与えられているということに対して、私たちはもっと謙虚になるべき

「なるほど。意志力とか精神力といったものとは違うところで、脳が影響を受けるようなことがあるのか」

光そのものには明るさはなく、光を反射する「何か」があって、初めて光は明るさを生み出す

「生命は/自分自身だけでは完結できないように/つくられているらしい」
「生命は/その中に欠如を抱き/それを他者から満たしてもらうのだ」
(吉野弘の詩「生命は」より)

私自身は「私」という存在自体の原因にはなっていない。つまり、私の存在という結果を生み出した原因は私ではないのです

「わたしたちはまえを向いて生きているんですが、幸福というのは、近い将来を見つめる視線にあるのではなく、どこか現在自分が生きていることをうしろから見ている視線のなかに、ふくまれるような気がするんです」(吉本隆明)

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読んでいるだけで、これまでの人生のとらえかたが一変した、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これは文句なし、イチオシの一冊です。

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『ぼくの命は言葉とともにある』福島智・著 致知出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4800910722

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◆目次◆

1章 仕事を成功に導く言葉
2章 人生を拓く言葉
3章 お金脳がめざめる言葉
4章 人間関係に効く言葉
5章 やる気が湧いてくる言葉

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