【これぞ起業家精神】
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先日、スタンフォード大学に遊びに行ってきて、ほんのわずかですが、「失敗を恐れない雰囲気」「大きく考えるマインド」を感じてきました。
日本で「起業」というと、「失敗したらどうしよう」「ノーリスクでやるには」などという視点に陥りがちですが、起業のエコシステム(人材、教育、資金調達、上場まで)ができ上がっている米国では、まったく状況が違います。
ベストセラーとなったピーター・ティールの『ゼロ・トゥ・ワン』でも、「未来を創る」ことの大切さがフォーカスされていましたが、米国の有名起業家は、みな同様に「お金は手段、未来への貢献が目的」と考えています。
※参考:『ゼロ・トゥ・ワン』
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本日ご紹介する本の研究対象、イーロン・マスクもその一人で、その発想の大胆さには、ただただ驚くばかりです。
イーロンは、決済サービス「ペイパル」の成功後、電気自動車でスーパーカーを作る、民間企業にもかかわらずNASAの10分の1のコストで宇宙ロケットを打ち上げるなど、あり得ない発想で事業を成功させてきました。
最近では、人類火星移住計画を打ち立てており、100万人を火星に送り込むと豪語しています。
本書は、そんなイーロン・マスクの素顔と経営思想、これまでの軌跡をまとめた、ビジネスコンサルタント竹内一正氏の渾身の一冊。
かつての日本の起業家にあって、今の経営者にないもの。それが浮き彫りになる内容でした。
イーロン・マスクとその組織が従来の起業家と異なる点をまとめておきましたので、ぜひチェックしてみてください。
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<物理学では、モノマネ(アナロジー)ではなく、“原理”から思考を展開する>
<イーロンは冷静だった。CEO職を解かれてもペイパルの株の約12%を保有する大株主に変わりはなく、そのおかげで、スペースXが創業できたのだ>
<「宇宙ロケットは間違いなく極度にストレスの高い事業だ」とイーロンは認めている。だが、極度にストレスの高い事業を前に進める特効薬がある。それは楽観主義だ。そして、イーロンは史上最強の楽観主義者だった>
<イーロンはジャスティンに「今日関係を修復するか、明日離婚するかだ」と驚きの最後通告を突きつけた。しかも、その6週間後にジャスティンはイーロンから「再婚するから」というメールを受け取り茫然とした>
<バッテリーの材料メーカーにまでテスラの経営幹部が来日して足を運ぶ>
<電気自動車が普及することが重要であって、他社から脅威となる電気自動車が登場するのは大歓迎>
<反論すべきは即座に反論する>
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原理原則から考え、素人集団で前人未到の偉業を達成してしまう思考力と行動力には、感動すら覚えます。
起業を志す人、何か新しいチャレンジをしたいけれど勇気がないという人に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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『史上最強のCEOイーロン・マスクの戦い』竹内一正・著 PHP研究所
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◆目次◆
第1章 「人類と地球を救う」壮大な挑戦
第2章 南アフリカの少年が抱いた夢と憧れ
第3章 とてつもない失敗をする度胸
第4章 型破りすぎる発想
第5章 進化の連続が成功を引き寄せる
第6章 巨大な敵に平然と挑む
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