2015年3月31日

『賢いやめ方』アラン・バーンスタイン、ベグ・ストリープ・著 vol.3906

【賢くやめるための心理学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484151111

今や世界的著者となった、近藤麻理恵さん(こんまりさん)の『人生がときめく片づけの魔法』。

※参考:『人生がときめく片づけの魔法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763131206

アメリカ版、イタリア版は、いまだにランキング上位を続けています。
(3/29現在でアメリカ総合4位、イタリア総合1位)
おそらく、部数もものすごいことになっているんでしょうね。

※参考:『The Life Changing Magic of tidying up』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1607747308

先日放映された「金スマ」でも、片づけられない外国人の若い女性がこんまりさんの指導を受けていましたが、やはり何かを捨てる、やめるには心理的抵抗があるのがよくわかります。

本日ご紹介する一冊は、そんな人間の心理に着目し、『賢いやめ方』を指南した一冊。

著者は、ニューヨーク医科大学やニューヨーク大学で心理療法を教えるかたわら、キャリアや人生の転機についての本を執筆しているアラン・バーンスタインと、女性の自己啓発に注力しているライターのベグ・ストリープ。

認知心理学、行動心理学などさまざまな分野の心理学を駆使しながら、どうすれば賢くやめ、新たな人生を切り拓けるのか、心理学的に正しい方法論を指南しています。

本書を読んでいてわかるのは、片づけと同じく、「やめる」ことには自責の念が伴うということ。

これに関して、著者は冒頭でこう述べています。

<賢くやめるのは、やり慣れたことに終止符を打って未知の領域に踏み出し、葛藤を乗り切って、大切なものを手放したという自責の念と向かうことだ>

興味深かったのは、続ける/やめることに関する、現代的な問題。
メディア漬けの現在では、以下のような問題があると、著者は指摘しています。

<メディア漬けの現在では、同じような話を何度も聞いているうちに、実際には可能性がないのに、可能性があると思い込んでしまう。いいことでも悪いことでも、実際より高い頻度で起こるような気がしてくるのだ。がんばれば必ず成功をおさめられるというサクセスストーリーも、その例外ではない>

われわれが、うまくいく保証がないのに頑張り続けてしまう理由を、著者は「間歇強化(かんけつきょうか)の法則」という概念で説明しています。

この法則は、ネズミを使った実験でわかったものですが、これにより、われわれが物事に固執してしまう理由がわかります。

簡潔に説明しましょう(ダジャレじゃないですよ)。

この実験では、ネズミを以下の3パターンに分けて実験します。

第一の箱:ネズミはレバーを押すたびに餌がもらえる
第二の箱:レバーを押すと、餌が出てくるときと出てこないときがある
第三の箱:ネズミがレバーを押してもなにも出てこない

このうち、第一の箱にあたったネズミはどうすれば餌が手に入るかわかり、満足しますし、第三の箱にあたったネズミはレバーを押してもなにも出ないわけですから、さっさとやめて他で餌を探し始めます。

問題は、第二の箱にあたったネズミです。

このように永遠に希望があり、失望と満足を交互に味わったネズミほど、レバーに固執するわけで、これはわれわれの仕事に対する考え方や、プライベートの恋愛や家族関係についても当てはまるのです。

本書ではまた、やめる際に問題となる「ダメなやめ方」についても述べられており、これから会社をやめて起業する、などといった方には、ぜひ読んでいただきたい内容です。

述べられているのは、以下の7つ。

いつもなにかをやめる時、この手を使っている方は、改めた方がいいでしょう。

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・投げ出す
・自分の立場を養護し、道義上やむをえずやめる(相手が悪者になるため、問題が起こる)
・やめたつもり(身を引くとほのめかしたりするケース)
・やめると脅す(「◯◯でないなら、やめます」というやり方)
・雲隠れ(誰にも理由を言わないでいなくなる)
・ビッグバン(感情のおもむくままに後先考えずにやめる)
・中途半端にやめる(続けるふりをしたり、努力すると誓う)

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このうちの「やめると脅す」について、出世したベテランのサラリーマンが、こんなことを言っていました。

<「◯◯でないなら、やめます」っていうのは、言っちゃいけないんだよな。だって、仮に上司や会社がその要求をのんだとして、いつやめるかわからないやつを出世させないだろう? 本当にやめるならやめる時に言うべきだから、結論、「◯◯でないなら、やめます」っていう言葉は使う意味がないんだ。自分の立場を悪くするだけだからな>

本書では以上のように、あなたが「賢くやめる」方法が明確に示されています。

何かをやめて、新たな人生を切り拓こうとする方、新たなチャンスにかけようと思う方は、ぜひ読んでみてください。

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『賢いやめ方』アラン・バーンスタイン、ベグ・ストリープ・著
CCCメディアハウス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484151111

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◆目次◆

序 「やればできる」という神話
第1章 がんばる心理
第2章 ダメなやめ方
第3章 やめる技術
第4章 やめる力
第5章 思考と感情をコントロールする
第6章 目標を吟味する
第7章 目標マッピング
第8章 賢くやめる
第9章 心の磁石をリセットする
最後に やめる知恵

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