【ニッポン放送大人気アナの実践会話術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4778314336
本日の一冊は、もともと些細な会話すらままならない「コミュ障」だったというニッポン放送の大人気アナ、吉田尚記さんによる、コミュニケーションの極意。
ビジネス書にありがちな「稼ぐため」「説得するため」の目的ありきのコミュニケーションではなく、コミュニケーションそのものを目的とした心の通い合い、そこにいる人全員が楽しかったり満たされたりする、ポジティブな感覚のコミュニケーション術を説いています。
<5W1Hを相手に伝えたり信じさせたからといって、それだけでコミュニケーションは成立するものではありません。コミュニケーションをとったあとに、その人と一緒にいたあとに、おたがい心地よくなってこそ成功と言える>
普段、ビジネスの世界にいると忘れがちなことを思い出させてくれる上、上に立つ人間にはなかなかできない「相手に対して優位に立たない」技術、いじられる技術が紹介されています。
◆相手に対して優位に立たないですむ技術
1.ホメる 2.驚く 3.おもしろがる
◆コミュニケーション・ゲームの反則行為
1.ウソ禁止 2.自慢はご法度 3.相手の言うことを否定しない
プロフェッショナルとして数多くのインタビューをこなしてきた著者が語る「質問する技術」も必読。シンプルなフレーズで聞き上手になれるテクニックがいくつも紹介されています。
<「えっ、説明して?」って言えたら、間違いなく話は転がります>
◆会話を弾ませるために使えるフレーズ
<今日ご飯、食べた?>
<修学旅行、どこ行った?>
<眠気がガマンできないとき、どうしてる?>
<通っていた高校の自慢、教えて?>
目的ありきのコミュニケーションが世に存在する以上、本書の主張、コミュニケーション法がすべてというわけではない、というのは重々承知していますが、コミュニケーション下手の人が増えている現在、本書はまさに「時代にハマった」一冊だと思います。
対人コミュニケーションが苦手な人はもちろん、得意な人も、知らず知らずのうちに人を傷つけてしまっていないか、チェックするために読んでおくといいでしょう。
読み応え十分。ベストセラー確実。これは必読の一冊だと思います。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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どんなに偉くなってお金持ちになっても、実のあるコミュニケーションがとれない、楽しい思いができない、もしそうだとしたらどんなに虚しい人生だろうと思いませんか
結局、コミュニケーションの目的はコミュニケーションである
5W1Hを相手に伝えたり信じさせたからといって、それだけでコミュニケーションは成立するものではありません。コミュニケーションをとったあとに、その人と一緒にいたあとに、おたがい心地よくなってこそ成功と言える
インタビューの局面で考えると、「えっ?」と相手の話に反応できたら勝ち。それが鉄則です。「えっ?」と言えた次の瞬間、必ず相手はうれしそうにしゃべり出します
人は間違った情報を訂正するときにいちばんしゃべる生き物
コミュニケーションは、自分が伝えたいと意識したことが相手に伝わるわけではない。逆に言えば、伝えたいことなんてなくても、何かが伝わってしまうことが前提になっているんです
おたがいにわかっている範囲内で悪口があると、本音でしゃべっている共感が生まれる
「えっ、説明して?」って言えたら、間違いなく話は転がります
会話で優位に立とうとしない
◆相手に対して優位に立たないですむ技術
1.ホメる 2.驚く 3.おもしろがる
<今日ご飯、食べた?>。この質問がいいのは、ふだんみんながやってることを訊いているからですね
<修学旅行、どこ行った?>。これもいいですね、みんながほぼ経験していることを訊く
<眠気がガマンできないとき、どうしてる?>。これも相手の持っている情報を引き出すテクニックの使用例ですが、相談するっていうのはすごくいい
<通っていた高校の自慢、教えて?>これはもう一〇〇点の質問。(中略)まず「学校」じゃなくて「高校」、その目的格を「自慢」、しかも「教えて」。内容がとても具体的で、かつ相手を立ててる
給食も含めて学校の話がなぜいいかと言うと、ローカルルールがいっぱいあるからです
◆コミュニケーション・ゲームの反則行為
1.ウソ禁止 2.自慢はご法度 3.相手の言うことを否定しない
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『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』吉田尚記・著 太田出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4778314336
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◆目次◆
基本編
はじめに コミュ障の私よ、さようなら
1.コミュニケーションとは何だろう
2.「コミュ障」だった私
3.コミュニケーションという「ゲーム」
4.ゲーム・プレーヤーの基本姿勢
5.沈黙こそゴール
技術編
6.コミュニケーション・ゲームのテクニック
7.質問力を身につける
8.キャラクターと愚者戦略
9.コミュニケーション・ゲームの反則行為
まとめ コミュニケーションは徹頭徹尾、人のために
あとがき
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