【歴史を学べば投資がわかる?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023313696
本日の一冊は、ベストセラー『お金持ちの教科書』の著者、加谷珪一さんによる注目の新刊。
日本や世界の歴史を概観し、戦争や災害、バブル、ハイパーインフレの際、何が起こり、どんな金融商品の価格が上がったのかを明らかにした一冊です。
※参考:『お金持ちの教科書』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484142015/
著者は、日経BP社の記者を経て、野村證券グループの投資ファンド運用会社で企業評価や投資業務を担当した人物。
自身も億単位の投資を行う投資家ということで、マクロ的な視点とミクロ的な視点、投資ノウハウがバランスよく書き込まれています。
本書によると、日本の株価は過去130年間で約8000倍になったそうですが、本書ではその130年間を数十年単位で区切り、それぞれ何が起きたのか、その時誰が得したのかを紹介しています。
投資本には珍しく、戦争の話が書かれており、万一戦争が起こった時、株価がどうなるのか、どんな銘柄が上がるのかが示されています。
一般にいわれる軍需産業についても銘柄に言及しており、三菱重工やロッキード・マーチン、レイセオンなどの名前が挙げられています。
また、戦時には投資家心理が高揚する、ハイパーインフレ下で株が上がるまでにはタイムラグがある、金融商品は、価格が上がる順番があるなど、興味深い視点が示されています。
◆ハイパーインフレが発生した場合、価格が上がる順番
1.為替 2.金 3.物価 4.不動産 5.株価
過去の偉人がどうやって儲けたのか、当時の背景なども示されており、じつに勉強になりました。
不透明な明日の相場に備えるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
———————————————–
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
———————————————–
戦争という特殊事例ではありますが、海外の需要が堅調だと、日本の製造業が潤い、国内の設備投資が活発になって株価が上昇するという構図は、すでに、この時代に確立しています。主力産業は移り変わっていますが、いわゆる輸出主導型経済というのは、この頃から存在していたわけです
積極的に設備投資が実施されている時には、資本の比率が上がりやすいですから、相場にはプラスである可能性が高い
米国は先進国で唯一、人口が増え続ける
米国は現在、3・2億人ほどの人口がありますが、米国の人口は今後も増え続けると予想されていて、2100年には4・6億人に達する見込みです。米国は移民が多く、今も年間100万人規模の移民を受け入れています。移民は、若年層が多く出生力も高い
経済成長を決定する基本要素は3つしかありません。ひとつは労働、もうひとつは資本、最後がイノベーション(技術革新)です
日本がこれから、経常収支が赤字になり、円安になっていくのだとすると、海外への投資が有利になってきます。ソフトバンクは、米国3位の通信会社であるスプリントを2兆2000億円で買収しましたし、サントリーは米国のスピリッツ大手ビーム社を1兆6500億円で買収しています。海外の利益を取り込めるこれらの企業は、経常赤字と円安の時代にも高い時価総額を維持できる可能性があります
ある程度の基礎体力があり、グローバルに展開している、あるいは需要が減らない商品を扱っている企業の株を買えば、スタグフレーションから資産を防衛することは可能
これからの不動産価格は、賃貸した場合にどの程度の収益が得られるのかという収益還元法によって決定される
ダイムラーの株主の中には、毎日の生活資金に窮してしまい、株を手放す人が多かったようです。このためハイパーインフレであるにもかかわらず、ダイムラーの株価は暴落してしまいます(見かけ上はインフレですから上昇していますが、物価を考慮した実質株価では大幅なマイナスとなっていました)。しかし、結局のところ同社の株価は最終的にはインフレに追い付きます。この時に、底値でダイムラーの株を買った投資家は、インフレが収束した頃には莫大な利益を得ていたわけです
◆ハイパーインフレが発生した場合、価格が上がる順番
1.為替 2.金 3.物価 4.不動産 5.株価
戦争が起きると投資家心理は高揚する
————————————————
『お金は「歴史」で儲けなさい』加谷珪一・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023313696
————————————————-
◆目次◆
第1章 100年単位で株価はこう動く
第2章 インフレ時代を前に知っておくべきこと
第3章 戦争と株価の不都合な真実
第4章 バブルは利用するもの
第5章 イノベーションで儲ける鉄則
第6章 金と石油、そして通貨をめぐる攻防
第7章 長期投資は安全に儲かるのか
第8章 未来を見据えた投資戦略
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。