2015年2月1日

『オロビアンコの奇跡』たかぎこういち・著 vol.3848

【売上高50億円突破。急成長ブランドの秘密とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4881243101

本日の一冊は、毎年10億円前後の成長を続け、飛ぶ鳥を落とす勢いの人気バッグブランド「オロビアンコ」成功の秘訣を、ブランドバッグビジネスの第一人者、高木浩一氏がまとめた一冊。

98年にフォリフォリジャパングループとの合弁会社取締役を務め、米国の有力ファッション展示会d&aの日本窓口、第1回東京ガールズコレクション参画、アマゾンのバッグ&靴サイト立ち上げにも参画した著者が注目したのは、「オロビアンコ」という、現在年商50億円のバッグブランドでした。

徹底した職人魂と、確保した利益の半分をモノづくりに投資し続ける姿勢、職人技とITの融合を実現した斬新な経営は、今後、モノづくりをする人々のモデルになりそうです。

1枚ずつ原皮をスキャンし、それぞれの素材ごとに傷の位置を含めた情報を読み込んでいる同社のデータベース。全体の面積や製品に使える裁断面積もこのシステムに読み込まれ、データベース化されているらしく、1万2000点以上の素材ストックと相まって、的確な小ロット対応ができるそうです。

直接取引による適正価格追求、売り場の多様性、ファスナーの引手やベルトなど、見えないところまで手間とコストをかける姿勢、商品バリューと価格が正比例する原則…。

現在のビジネスの成功方程式を、ど真ん中で実践している、素晴らしいケースだと思います。

繊研新聞社から出ているだけあって、データが細かく、またカバン作りの工程なども丁寧に書かれています。

業界外の人間にとっては、知らないことばかりで、とても新鮮でした。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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直近の2011年の出荷額と事業所数および95年比はどうなっているだろうか。(1)かばん類は同162億1900万円、同71件。出荷額16%減、事業所数は47%減だ。95年には出荷額が増大していた(2)袋物類も同372億6200万円、67%減、事業所数は258件、58%減。(3)ハンドバッグ類は同167億7900万円、事業所数は140件。実に16年前に比べて出荷額は78%減、事業所数は61%減という衝撃的な結果となっている

いま大事なことはアジア全体を俯瞰することだ。日本のメーカーはアジアのファッション先進国、日本に存在している。アジアの人々にとって東京はパリと並ぶ憧れの街だ

通常、海外ファション企業のショールームには、最新作のコレクションが美しく誇示されている。しかしオロビアンコ社はまったく違う。同社の原点は物づくりだ。だから来場者には、代表的な製品をできるだけ見せるようにしている

コンピューター上には1万2000点のバッグモデルが表示される。選んだモデルに対し、すぐにディスプレイ上でカラー、ディテール、金具、そして裏地までシミュレーションが可能なのだ。喜ばないバイヤーは絶対いない。選ばれた素材、デザイン、付属品等はバーコードで読み取られ、電子情報化されたオーダーシートとなる。そして生産現場へと引き継がれるのだ。この生産システムが他社とオロビアンコ社との最大の相違点であり、最大の強みと言える。また自社工場生産の強みは、少量のミニマム発注数にも対応できることだ。日本の地方の単一セレクトショップでもイタリアブランドの差別化商品の発注が可能になる

ジャコモ氏は、何よりも売り場を歩き、バイヤーと意見交換し、消費者や市場を自分の眼で観察している。それを定点で16年間も続けているのだ。いちばん確実な情報は売り場にある、購入する消費者が持っていると確信しているからだ

職人であるジャコモ氏は、迷うことなく利益の半分を製造部門の設備と人材に投資してきた。自社製品が売れ出すと誰でも、販売を先行させ、利益の取れる直営店の出店を進める。デベロッパーからも好条件でお声がかかる。しかし、ジャコモ氏は物づくりに徹底し、販売やPRは販売先に任す主義を貫いてきた

トップマーケットの市場規模は想像以上に小さいのではないか。ジャコモ氏はそう思うようになっていった

子供向けアニメの影響もあり、ランドセルは世界中の認知を獲得しつつある。アメリカのヤングセレブ、女優で歌手のズーイー・デシャネルのランドセルスタイルが可愛いとネット上で評判になった

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『オロビアンコの奇跡』たかぎこういち・著 繊研新聞社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4881243101

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◆目次◆

第1章 奇跡的な成功を実現させた職人魂
第2章 超ベストセラーに見るこだわり
第3章 ジャコモ・マリオ・ヴァレンティーニ
第4章 成功の秘密JUDOマーケティング
第5章 日本の技術とイタリアの感性の融合

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