2014年12月22日

『青春論』亀井勝一郎・著 vol.3807

【評論家・亀井勝一郎の名随筆】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4044094675

本日の一冊は、名随筆で知られる評論家・亀井勝一郎さんの青春論。

もともとは、1956年に週刊読売の「若い河」という欄に、著者が青年の問題だけをとりあげて連載したものらしく、青春出版社から『現代青春論』という題で出されていたもののようです。

角川ソフィア文庫「先人に学ぶ」シリーズの一冊ですが、オビに、爆笑問題の太田光さんがこんなコメントを寄せています。

「俺のものの見方をすべて変えてくれた。」

内容は、青年へのアドバイスから、愛、友情、孤独についての考察、さらには小説論や道徳論まで、幅広く扱われています。

青年時代特有のトピックもありますが、中身は概ね、いくつになっても当てはまることばかりで、人生や仕事、人間関係についていろいろと考えさせられました。

なかでも、インパクトがあったのは、以下の言葉です。

<青年時代に一番大切なことは、いつまでたっても解決できないような、途方にくれるような難題を、自己の前に設定することではなかろうか>

<「ただひとり」だからと言ってやめてしまうのと「ただひとり」でも、自分の考えは持ちつづけようというのと、どっちがいいだろうか>

また、心が不安になった時の学習法として、以下の2つは参考になりました。

<世の中が険悪になって心が不安になるとき、私はいつも二つの方法をとることにしている。ひとつは日本史を読みかえしてみること、もうひとつは生産面の熟練者に接してみること>

未来へ向かって進む力を、本書は与えてくれます。

お時間のある時に、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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あらゆる意味で、苦労を避けて通ろうというのは卑怯なことだ。青春は甘やかされるべきものではない。自分で自分を甘やかしてはならない

真のおとなとは、年をとっても青年の悩むような問題をいつも自己の問題として持ちつづけている人のことである。いわば知的好奇心の衰えないおとなの青春こそ尊い

世の中が険悪になって心が不安になるとき、私はいつも二つの方法をとることにしている。ひとつは日本史を読みかえしてみること、もうひとつは生産面の熟練者に接してみること

文明はつねに新しい恐怖を創造するものらしい。同時にそれから眼をそらすための新しい娯楽も生み出すものだ

いかなる善意のもとになされようと、画一性は避けなければならぬと思っている。たとい空想的とか理想的とか言われても、日本全体にわたって、創意ある人々の大胆な発言をのぞみたい。現代における最大の悪徳は、理想精神に対する冷笑ではあるまいか

貧しさと激しい労働のあいだからでも、喜びを創造しようというのは青年の活力の第一のあらわれである

歴史を見ると明らかだが、民族が大きく変化して、新しい時代を迎えるときは、必ず、まずいい詩人があらわれるものである。それは言葉の改革者であり、またその次代の民族の感情の代弁者でもある

青年時代に一番大切なことは、いつまでたっても解決できないような、途方にくれるような難題を、自己の前に設定することではなかろうか

「ただひとり」だからと言ってやめてしまうのと「ただひとり」でも、自分の考えは持ちつづけようというのと、どっちがいいだろうか

「ただひとり」なのは自分だけではないのだ

孤独に甘えてはならないが、孤独だったからこそ、いま多くの「友」とむすびつき得たというその喜びを思い出す必要があろう。同時に「ただひとり」の時のように、思いつめた自分の考えを、うちあけることだ

ユーモアというものは、その根本に奉仕の精神があるものだと思う

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『青春論』亀井勝一郎・著 KADOKAWA
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4044094675

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◆目次◆

第一章 青春を生きる心
第二章 愛に生きる心
第三章 理想を求める心
第四章 モラルを求める心
第五章 日本をみつめる心
第六章 明日に生きる心

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