【心理学が教える「買わせる技術」がてんこもり】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534052197
本日の一冊は、「買い物をする脳」の分析に神経科学を応用したパイオニア的存在で、「ニューロマーケティングの父」と呼ばれる、デイビッド・ルイスによる著作。
人間の脳がどんな時「買いたくなる」のかを明らかにしており、かつてベストセラーとなった『なぜこの店で買ってしまうのか』を彷彿とさせる内容です。
※参考:『なぜこの店で買ってしまうのか』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150504067
本書には、買い物現場で何をすれば人がより購買するようになるのか、具体的な情報をまとめており、小売店経営、販売促進イベントの運営などを手掛ける方、接客を生業としている方は、ぜひ読んでおきたい内容です。
いくつか、興味深いポイントをかいつまんで紹介しましょう。
<価格を5%引き下げて容量を10%減らした場合、消費者は価格に注目して値引きされていると思う>
<スーパーで買い物かごを持っている人(腕を曲げる行動)は、買い物カートを押している人(腕を伸ばす行動)にくらべて購入意欲が高い>
<左側より右側のディスプレイが好まれる> ※右利きの場合
<スローテンポの音楽をかけている百貨店は、アップテンポの音楽の百貨店にくらべて1日の売上が38%多い>
たまたま訪れたファミレスで本書を読んで、「消費税増税時代のうまい値上げ方法(量を減らすこと)がわかった!」とほくそ笑んでいたら、メニューの写真から程遠い、小さなまぐろ丼が出てきて驚きました(苦笑)。
よく見たら、そのファミレスは税抜表示と税込表示も巧みに見せていて、ニューロマーケティングをよく勉強されているようです。
消費者に「買わせる技術」が満載の一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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買い物客に「作業」を与えればウォンツニーズが生じる(中略)1930年代、ケーキミックスを販売するゼネラルミルズ社から売上改善の相談を受けたディヒターは、卵の粉末をあらかじめ商品に混ぜておくのをやめて、購入した主婦が卵をケーキミックスと混ぜるように変更を提案する(中略)策略は大成功し、ケーキミックスは消費者の信頼を得て、売上を大きく伸ばした
見つけたときの興奮が大きくなれば、商品の魅力が強まる
厳しい条件(加入条件)を課された女性たちは、別の条件の女性たちにくらべてグループの意義や魅力を高く評価し、強い帰属意識を感じるとともにグループメンバーになる価値を認めていた
50年以上前の話だが、歯みがき粉メーカーにひとりの男性があらわれた。10万ドル払ってくれれば、まったくコストをかけずに売上を40%増やせると言うのだ。当時としては高額だったので、メーカーは技術者を集めてその秘策について考えたが答えがわからず、やむなく代金を支払った。受け取った紙に書かれていたのは、「チューブの口を大きくせよ」という1文だった
消費者の意思決定を研究しているドナルド・マクレガーによると、価格を5%引き下げて容量を10%減らした場合、消費者は価格に注目して値引きされていると思う
スーパーで買い物かごを持っている人(腕を曲げる行動)は、買い物カートを押している人(腕を伸ばす行動)にくらべて購入意欲が高い
左側より右側のディスプレイが好まれる
ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによると、経験則を頼りにしがちなのは、検討すべき情報が多く、不確実性が高く、時間が限られている場合である。そのため現在のように変化の激しい社会では、経験則が消費者の選択を大きく左右する
ショッピングの経験則1:暖かければ安全
ショッピングの経験則5:利用可能性(アベイラビリティ)
スローテンポの音楽をかけている百貨店は、アップテンポの音楽の百貨店にくらべて1日の売上が38%多い
広告業界は、10代独自の不安感や仲間意識に注目しており、メディア側の経営陣であるナンシー・シャレクは、次のように語っている。
<何よりも広告に求められるのは、商品を持っていなければ敗者だと思わせる仕組みである>
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『買いたがる脳』デイビッド・ルイス・著 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534052197
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◆目次◆
第1章 ショッピングを「科学」する
第2章 ショッピング現場に潜む「かくれた説得者」
第3章 「あなたの考えはお見通しです」
第4章 ショッピングはあなたの「気分」だけでは完結しない
第5章 「買い物をする脳」の中身
第6章 売り場が醸し出す「雰囲気」の説得パワー
第7章 ブランド愛──お客の感情を操作する
第8章 サブリミナルのプライミング効果
第9章 テレビがあなたを観ている
第10章 モバイルメディアのマーケティング力
第11章 究極の「買いたがる脳」
第12章 売り手の思惑、買い手の責任
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