【高校の「情報科」に論理思考を学ぶ】
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本日の一冊は、早稲田高校数学科・情報科教諭の大森武氏が、高校の必修科目「情報科」で教えている論理思考のエッセンスを、ビジネスマン向けにまとめた一冊。
記号論理、数学の論理、科学の論理、議論の論理という4種類の論理の説明をし、さらに、考えるための7つ道具の説明(デジタル論理式、1行作文、ゲーム理論、マインドマップ、モデル化とシミュレーション、統計、コンピュータ)もしています。
ANDとORとNOTとIF、4つのパーツを使って論理式を定義する方法などが紹介されており、論理的であるとはどういうことか、議論で真偽を問うことがなぜ不毛なのか、説明がなされています。
本書で主に解説されているのは、前述の「4種類の論理」のうち、「議論の論理」の部分。
ビジネスパーソンが議論する時、どんなところに注意すれば良いのかが書かれていて、参考になります。
いくつか紹介しておきましょう。
・真であることを示すには、証明する
・偽であることを示すには、反例をあげる
◆議論をする時のポイント
1.意見(主張)には必ず理由(根拠)を添える
2.反論は、相手が挙げた根拠に向ける
◆4段論法
結論をズバリ言う⇒反論を想定する⇒理由を3つ挙げる⇒結論を繰り返す
<本来は「根拠(理由)も反論(批判)もたくさん挙げる」ことが「論う(あげつらう)=論じる」ことなのに、「粗探しをして相手の論を否定する」ことでしか「論う=論じる」ことができなくなっている人が多い>
雄弁に語ってはいるが、「説得力に欠ける」。
そんな恥ずかしい状況にならないためにも、しっかり学んでおきたい内容です。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆記号論理(論理式)
論理学の分類では「演繹」と呼ばれるもので、たとえば3段論法がこれに含まれます。「PならばQである。Pである。よって、Qである」のようなものです
◆科学の論理
科学で使われる論理は、論理学の分類でいえば「帰納」と呼ばれるものです。帰納とは「反例が見つかっていないから、また、他のことと矛盾しないから、とりあえず正しいものと見なそう」ということであって、いわば「経験的な論理」です
命題「気温が上がる⇒アイスが売れる」についても、因果関係と受け取らずに、とことん包含関係だけを読み取るべきです。(中略)「暑い日は、アイスが売れる日の一部である」と。言い換えれば、「暑くないのにアイスが売れる日もありうる」
「私は嘘つきである」
論理学では、この文は「パラドックス(逆説)」だといいます。(中略)私が嘘つきだとすると、この文は本当のことを言っていることになるから、嘘をつくことと矛盾する。また、私が正直者だとすると、この文は事実と違うことを言っていることになるから、正直者であることに矛盾する
真であることを示すには、証明する
偽であることを示すには、反例をあげる
論理は何か新しいもの、たとえば真実みたいなものを生んだりもしないのです。論理にできることは「前提から正しく結論を導く」ことだけであって、論理は「前提の正しさを示せない」し、そして結局は「結論の正しさも示せない」
「記号論理」だけでは新しいものを生まないが、「数学の論理」「科学の論理」といっしょになって新しい発見や知見を生み出す
◆議論をする時のポイント
1.意見(主張)には必ず理由(根拠)を添える
2.反論は、相手が挙げた根拠に向ける
◆4段論法
結論をズバリ言う⇒反論を想定する⇒理由を3つ挙げる⇒結論を繰り返す
◆統計の勘どころ
・対照比較しないと何も見えない
・実際にはわからないことだらけ
・サンプル数が少ないと、偏る
・たくさん足すと、正規分布になる
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『高校生が学んでいるビジネス思考の授業』大森武・著 阪急コミュニケーションズ
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◆目次◆
序 章 情報科が新しい授業のモデルになる
第1章 デジタルな論理式 論理の効用と限界を知って使いこなそう
第2章 考え方の作法 根拠も反論も1行で書いてみよう
第3章 視点を立てる道具 ゲーム理論・マインドマップ・モデル化・統計
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