2014年9月23日

『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』永井孝尚・著 vol.3717

【コーヒービジネスで学ぶ最新ビジネス戦略】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140816589

本日の一冊は、ベストセラーとなった『100円のコーラを1000円で売る方法』の著者による、注目の最新刊。

※参考:『100円のコーラを1000円で売る方法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046028238

昨今、新規参入が活発な「コーヒービジネス」を題材に、戦略の考え方やビジネスモデルが学べる、興味深いビジネスストーリーです。

勢いでブラック金融会社を辞めた主人公の新町さくらが、ひょんなきっかけで、コーヒービジネスを手掛ける「ドリームコーヒー」に入社、ライバル企業の高津珈琲と戦いながら、最新ビジネス戦略を学んでいくという、そんな内容です。

ドトールの低価格戦略や、最近同社が展開している「星乃珈琲店」のビジネスモデル、7000円もするマシンをタダで配って儲ける、ネスレ「ネスカフェアンバサダー」の仕組み、ブルーボトルを代表とする「サードウェイブ」コーヒーの流れなど、コーヒーがらみの一連のビジネスが一望できるのも魅力でしょう。

熱心にビジネスを学ばれている方であれば、既知の内容も多いと思いますが、意外と教えてもらえない戦略やビジネスモデルの基礎がまとめられているので、新人教育には良いと思います。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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従来提供していた価値に「何を加え(足し算)」「何を捨て(引き算)」「何を増やし」「何を減らす」かを明確にしなければならない

ドトールの戦略が成立するには、3つの条件を充たす必要がある。まず、(1)他社の価格が高いこと。(2)価格を下げると、それ以上に売れること。そして、(3)周到なブルーオーシャン戦略を考えていること

星乃珈琲店の1回当たりの支払い額はドトールコーヒーの3倍近い約1000円だ。低価格カフェを始めたドトール自身、低価格路線を見直している。どんなに素晴らしい戦略でも永遠には続かないということだ。どんな戦略にも賞味期限がある。顧客が変われば、戦略も常に見直していかなければならない

どうしてDVDのリモコンが、こんなに使いにくいものになってしまったのか。それは顧客がほしいという機能を全部実現したからだ

コーヒーは習慣性もあるので、顧客は気に入れば次も来店するようになる。つまりコーヒーは儲かるのです

「最近は経費削減で、コーヒーの自販機が撤去されているオフィスが多いし、外のカフェに行くのも面倒じゃない? ネスレはここに目をつけて、『オフィスで仲間と、ネスカフェを飲みたい』という人を『ネスカフェアンバサダー』という名前で募集して、マシンをタダで貸し出しているの。おかげでウチのカフェに来ていたお客さんが、オフィスでネスカフェを飲むようになっちゃったのよ」

インドネシアでは、生活用品はスーパーでまとめ買いはしない。生活用品はワルンという日本の駄菓子屋のような小さな店で買う。ワルンでは、オムツを1品ずつ個別包装してつなげたものを店頭にずらりと並べたほうが目立つ。実際、これまで紙オムツを買ったことがないお母さんたちは、お試しでまず1個買い、外出先で必要なときだけ使える個別包装のほうがありがたいのだ

強い企業は、自社の強みであるコア技術を徹底的に掘り下げる

(1970年代のニュータウンと)同じ時期に入居が始まり、今も発展中の街がある。千葉県佐倉市のユーカリが丘だ。分譲開始から34年後の今も人口が増え続けている。街には子どもも多く、活気もある。なぜそんなことが可能なのか。毎年平均で200戸ずつしか販売してこなかったからだ

消費者はさらに進化して、お金を使う意味を考えるようになった。そこで「世の中をよりよくしよう」という考え方がマーケティング3・0だ

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『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』永井孝尚・著 KADOKAWA/中経出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046005750

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◆目次◆

プロローグ 1杯1000円のコーヒー!?
1杯目 ドトールの本当の勝因は「低価格戦略」ではない
    ──ブルーオーシャン戦略を実現する4つのアクション
2杯目 「邪道」と言われた缶コーヒーでUCCが成功した理由
    ──アンケートでは顧客のニーズはわからない
3杯目 マクドナルドがプレミアムローストで目指したもの
    ──商品はポートフォリオで考える
4杯目 「コーヒーの香り」を失ったスタバが考え続けたこと
    ──経営合理化と業績悪化のパラドクス
5杯目 ネスレはなぜコーヒーマシンを無償で提供するのか?
    ──継続的に収益を生むための「ジレットモデル」
6杯目 5度目の正直で大ヒットしたセブンカフェ
    ──顧客の課題より先に自社の強みを見極める
7杯目 「コーヒー界のアップル」ブルーボトルの第3の波
    ──オープン&シェアの文化がつくる新しい市場
8杯目 お客はカフェの「何に」お金を払うのか?
    ──新規事業の製品設計は3つのレベルで考える
9杯目 サステイナブルでないコーヒーは生き残れない
    ──企業の社会貢献とマーケティング3・0
10杯目 スタバが広告費をほとんどかけない理由とは?
    ──顧客との絆を強化するブランドスパークス
エピローグ 新しいミッション!?

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