【必読】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883353133
お盆休みの真っ最中、休みにふさわしい「ゆるーい」本を選ぼうと思って手に取ったら、<「ものすごく」読み応えのある本だった>というのが、本日の一冊。
著者は、楽天の初代ECコンサルタント9人のうちの1人で、現在、楽天大学学長を務める仲山進也氏。
数ある楽天市場の成功事例をもとに、最先端の「ソーシャルショッピング」事例を紹介しており、「場で売る」「コミュニティで売る」ことの勘所をつかむことのできる内容です。
事例として挙げられているのは、三重県の苗木店「花ひろばオンライン」が始めた「レモン部」。
レモン部に入部し、月に1回、レモンの苗木の写真を撮り、成長日記を書いて顧問に送るとアドバイスがもらえる。<園芸ド素人の部員でも苗木を枯らすことなく育てられる>ことのメリットは、計り知れないと思います。
ちなみにこのレモン部、2014年の5期生募集は、過去最速の2日間で満員御礼。レモン部発足以来、レモン苗の売れ数は、ワンシーズン700鉢から1500鉢にジャンプアップしたといいます。
本書には、この「レモン部」のほかにも、160個入りの卵が売れるネットショップ、82歳の店長にファンクラブができる風呂敷専門店、11カ国300店にまで広がった洗車用品店など、さまざまな事例が紹介されており、いずれもビジネスヒントとして有用です。
「ソーシャル時代」にどうやって売ればいいのか、その見本を見せたという意味で、本書の意義は大きいと思われます。
事例が豊富で、巻末には開封者の購入率44.6%の大成功を収めた「雫酒」のメールマガジンの実例も掲載。
惜しむらくは、装丁とタイトルですが、中身は、読んで損のない内容だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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近年、Eコマースのスタイルが大きく2つに分かれつつある。1つは「究極の自動販売機」の道で、もう1つは「究極の対面販売」の道
「レモン部」は、三重県の苗木店「花ひろばオンライン」が始めた、みんなでレモンを育てる「部活型の商品」です。「レモン部員募集」という商品ページにいくと、「買い物かごに入れる」ボタンが「入部する」になっていて、入部をするとレモンの苗木が届きます(中略)レモン部にはルールがあります。「月に1回、レモンの苗木の写真を撮り、成長日記を書いて顧問に送ること」です。顧問は、社長の高井尽さんがやっています。部員が成長日記を出すと、お店のページにアップしてくれるうえ、顧問がコメントをつけてくれます(中略)園芸ド素人の部員でも苗木を枯らすことなく育てられるので、部員としては心強い存在なのです
「消耗戦を抜け出して老舗になるために『やってはいけない5つのこと』」
(1)売れているモノを売ってはいけない
(2)ターゲット客を攻略してはいけない
(3)競合対策をしてはいけない
(4)スケールメリットを強みにしてはいけない
(5)勝つためのスキルを磨いてはいけない
「究極の自動販売機」が提供する価値は、5大コストの最小化経済的コスト、時間的コスト、肉体的コスト、頭脳的コスト、精神的コスト
老舗くんは違います。「お客さんに後悔させない」という発想、または「後悔を最小限にとどめる」という発想をします
◆シェアの公式 シェア=期待値超え×共感×話の合う聞き手
単に受け身な商売人であれば、「近頃はところてんが売れない」と嘆くだけで、およそ「バレンタインにところてんを売りたい」という発想は浮かんでこない
1人で使い切れない量のセット商品はシェアされる
究極のO2Oは「会いに行きたい人がいる」こと
「ふろしきや」は名物企画「シルエットクイズ」で、「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2003特別賞」を受賞
「ウチの夫は車が好き過ぎて、お金がかかって困る」というメールが届きます。お叱りのメールかな……と思って読み進めると、「でも、最近、車の運転が丁寧になった気がします。洗車のおかげかな」と書かれていました。それを読んだ社長の相原浩さんは、頭をハンマーで叩かれたような衝撃を受けたといいます。自分の体験を振り返ってみて、「そうだ! たしかに自分で洗車すると車に愛着が湧いて、運転が丁寧になる。ひいては……交通事故が減ることにつながる!」
あり方から考えると、自ずとやり方が見えてきます
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『あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか』仲山進也・著 宣伝会議
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883353133
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◆目次◆
序 章 がんばればがんばるほど激しい消耗戦に巻き込まれる会社
第1章 一発くんと老舗くん
──消耗戦を抜け出すために 「やってはいけない5つのこと」
第2章 消耗戦を抜け出せたお店の実践事例12選
あとがき
付録 開封者の購入率44.6パーセント!「雫酒」のメールマガジン
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