2014年8月23日

『「副業」の基本と常識』大山滋郎、植野正子・監修 vol.3686

【副業する人が知っておかないと危ない話】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894516349

<独立行政法人労働政策研究・研修機構が2009年に実施した「副業者の就労に関する調査」によると、「副業をしている人」の割合は8・1%となっています。このうち、年代別で最も多いのは「30代」で38・3%、次いで「40代」が32・8%>

これは、本日ご紹介する『「副業」の基本と常識』のまえがき部分に書かれた内容ですが、苦しい経済下において、いまや副業は当たり前になりつつあります。

個人的には、副業などするより本業に専念すべきと考えていますが、そんな土井も、かつてインテリアショップで副業をしたことがありました。

単に、いろんな商売を見てみたかっただけですが、ここで得られた経験は、その後のビジネスにも活用できたと思っています。

しかし、副業にはさまざまなリスクが伴い、手続きを間違うと、手痛い結果につながることにもなりかねません。

まして、企業がじつはリストラしたがっている場合、格好のネタにされてしまうこともあるでしょう。(以前、探偵の方に取材したら、依頼内容のNo.1は浮気調査、次はリストラ対象者のネタ探しとおっしゃっていました)

そうならないためにも、ぜひ読んでおきたいのが、本日の一冊。

弁護士と税理士がタッグを組んで、副業をする人が知っておくべき法律のこと、税金のことが詳しく書かれています。

たとえば、気になる就業規則の副業禁止規定。

これがどの程度効力があるのかについて、本書ではこう説明しています。

<就業規則の拘束力については裁判でも判断が分かれています。会社に無断で副業をしたことを理由とする解雇処分を、不当とした判例がある一方で、解雇処分を妥当とした判例もあります。司法の判断基準の1つは、副業の影響が本業に対してどの程度あったかです>

「本業に影響あり」と言われないためにも、最低限以下の教えは守っておきたいところです。

<最低限のルールとして、本業の就業時間中には副業をしないこと。また、本業で使用する備品は、たとえボールペン1本でも勝手に持ち出して使ってはいけません。本業で得た情報や人脈を副業で使ってもいけません。副業を目一杯やりすぎて疲れがたまり、本業がおろそかになるようなことも避けなくてはなりません>

また、公務員の方であれば、以下の内容は知っておくといいでしょう。

<国家公務員は内閣総理大臣および所轄庁の長の許可を得た場合に、地方公務員は任命権者(地方公共団体の長など)の許可を得た場合に、副業が認められます。また、実家が営む農業、林業、水産業の手伝いをすることや、一定規模以下で行う不動産賃貸業、株式投資などの資産運用については副業が認められています>

このように、副業に関するあらゆる知識が、コンパクトにまとめられているのが、本書『「副業」の基本と常識』。

内容に、突っ込み足りない部分もありますが、副業する人のとりあえずの一冊としては、充分ではないでしょうか。

ぜひ、チェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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就業規則の拘束力については裁判でも判断が分かれています。会社に無断で副業をしたことを理由とする解雇処分を、不当とした判例がある一方で、解雇処分を妥当とした判例もあります。司法の判断基準の1つは、副業の影響が本業に対してどの程度あったかです

最低限のルールとして、本業の就業時間中には副業をしないこと。また、本業で使用する備品は、たとえボールペン1本でも勝手に持ち出して使ってはいけません。本業で得た情報や人脈を副業で使ってもいけません。副業を目一杯やりすぎて疲れがたまり、本業がおろそかになるようなことも避けなくてはなりません

副業を独立起業のステップにするのなら、収入よりも仕事の中身

新しい経験をしたいなど、気分転換のための副業なら、本業とは正反対の仕事、憧れていた仕事などを探すといい

ネットショップで商品を販売するなど、通信販売をするときは、事業者、販売業者はホームページ上に、特定商取引法で定められている「広告の表示」をしなくてはなりません。表示(掲載)しなくてはならない情報は、事業者の氏名(名称)、住所、電話番号のほか、販売価格、送料、代金の支払い時期と支払い方法、商品の引き渡し時期、キャンセルや返品に関する事項などです

応募抽選などによる一般的な懸賞では、5000円未満の商品は取引額の最高20倍まで、5000円以上の商品は10万円が景品額の最高限度額とされています

副業としてのチケット転売はリスクが高い

薬事法で規制されている商品を副業で販売するときは、都道府県知事の許可を受けなくてはなりません

副業で輸入品を販売するのなら、PL保険に加入しておく

今勤めている会社の営業秘密である顧客リストを持ち出して、自分が副業でやっているネットショップなどで利用することは、不正競争防止法で禁じている営業秘密の侵害にあたります

バレにくくするには住民税の納付を普通徴収にしておく

◆怪しいバイト先の見分け方
・交通費や備品などの自己負担を求める
・しょっちゅう、求人募集をかけている
・面接時間が短い、条件や待遇の説明がない
・社内が汚れている、備品が壊れたまま
・電話をしてもなかなか出ない
・面接担当者の態度が横柄

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『「副業」の基本と常識』大山滋郎、植野正子・監修 フォレスト出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319455

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◆目次◆

第1章 副業で成功する心得とコツ
第2章 売買に関する副業の法律知識
第3章 知らないと困る副業の法律知識
第4章 副業の税金、申告の知識
第5章 ネットで副業する基本と常識
第6章 投資で副業する基本と常識
第7章 資格、特技で副業する基本と常識
第8章 在宅ワークで副業する基本と常識

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