【タイミングは学ぶことができる?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309246486
株でもビジネスでも恋愛でも、「タイミング」が重要なのは、みなさん重々承知のこと。
しかし、その「タイミング」が学習できるとは、おそらく誰も思わないでしょう。
本日ご紹介する一冊は、この「タイミング」のミスを防ぐための、学術的アプローチを紹介した、極めてレアな一冊。
本書で紹介する「タイミング分析」は、6つの柱からなり、本書ではその6つを詳細に説明しています。
◆タイミング分析の6つのレンズ
1.シーケンス(出来事の順番、一連の流れ)
2.パンクチュエーション(出来事やプロセスが始まったり、中断したり、終わったりする時点)
3.インターバル(出来事と出来事の間の時間の長さ)
4.スピード(出来事が起こっている速さ)
5.シェイプ(動きのリズムそのほかのパターン)
6.ポリフォニー(同時に起こっている物事の相互関係)
著者によると、このタイミング分析は未来を予測する試みではなく、<むしろ、すでにそこにありながら、たんに見過ごされたり、検討されずにいたりするパターンに取り組む手段>。
言われてみると、そもそもパターンを構成する要素を見落としていて、しくじることなどは、十分ありそうです。
(土井のインドネシア株は、ここ数日激しく上がっていますが、それはすべて大統領選挙の影響です。まったく気にしていませんでしたが、本来、恐ろしいことです)
本書では、タイミングを図るため、われわれが知っておくべき要素と、なぜわれわれが重要な変化を見落としがちなのか、その理由を述べています。
いくつか紹介しておきましょう。
<私たちは自分の扱う線が短くて、当然、真っ直ぐであることを望む。そして、曲線を見つけると、対称で、ギャップや途絶、尖った縁がなく滑らかであることを願う。その結果、ノコギリ曲線のようなシェイプを発見してその意味合いを理解するのが遅れがちだ>
<「シロアリ・トラック」というのは、最も遅いプロセスの最小限のスピードがあまりに遅いため、何かが起こっていることに私たちが気づかないプロセスのことを言う>
本書で紹介されているセグウェイの失敗例のように、順番を間違えば、物事の進行は遅くなる。また、特定の時間や日付に対する他者の反応が読めないと、出遅れてしまう。
単なる精神論ではなく、物事の変化の本質を押さえ、その構成要素からアプローチしているのが斬新でした。
ごつい本ですが、株式投資家、経営者はぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いつ買う気になるか? たぶん、試乗してからだろう。では、いつ試乗するだろう? 販売店が店頭に置くようになってからだ。ところが、販売店の店先に並ぶようになるまでには相当時間がかかる。ほとんどの州が、歩道でのセグウェイの使用を法律で禁じているからだ。したがって、州法が変わるまでセグウェイは購入できない。広く使えるようになる前に製品を発売したために、セグウェイ社は、5年分以上の売り上げを棒に振った
特定の時間や日付が、パンクチュエーション・マークの役割を果たしうる。それを見つけるには、さまざまなスケジュール表を見るといい
どのパンクチュエーション・マークが意思決定者にとって重要かが特定できれば、彼らの行動のタイミングについて、大事な手がかりを見つけたことになる
パンクチュエーション・マークが同時に現れたらどうなるか考えていないときにミスが起こる。たとえば製薬会社は、多数の薬の特許が同時に切れたときのために備えておかないと、その見落としのせいで高いつけを払わされることになる
ピリオドの位置を変えることで、決定を急ぐ必要があるように見せたり、先延ばししたりすることもできる
一般論として、極端に速いスピードや変化は、文字や方程式のようなシンボルや、実際のものを表す単語におもに依存しているプロセスで見つかると思っていい。たとえば、紙に書かれた文に「木」という単語を加えることができ、これは本物の木を育てるよりも桁違いに速く達成できる
石油部門では、OPECは生産量をすばやく減らして価格を上昇させる傾向がある一方、不足を防ぐための増産には時間がかかりがちだ。石油価格に関心のある人はみな、この非対称を知っておく必要がある。問うべきことは、「このシステムの標準的なスピードを私は(すべて)知っているか?」だ
HMO(健康維持機構)が創立されたとき、巨大な購買力を持っているおかげでコストを低く抑えられると思われた。だが、そうはならなかった。私が「ノコギリ曲線」と呼ぶものにその一因がある。それはこういうことだ。医薬品や検査、治療は、新しいときには高価だ。やがて利用者が増えるとコストが下がる。だが、もっと優れた薬や治療が発明された途端、誰もがそれをほしがる。その結果、図5・3に示したように、ぎざぎざした波ができる
組織の新しい方針など、変化が提案されたり導入されたりしたときには、反応があることを予測するといい。それは賛成かもしれないし、反対かもしれない。ニュートンなら言うだろうが、どの作用にも、等しい大きさの反作用がある
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『パーフェクト・タイミング』スチュアート・アルバート・著 河出書房新社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309246486
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◆目次◆
はじめに タイミングは学ぶことができる
序 章 6つのレンズ
第1章 シーケンス どんな流れで物事が起こっているか
第2章 パンクチュエーション 時間の流れに句読点を打つ
第3章 インターバル 何がどんな間隔で起こるのか
第4章 スピード 速い/遅いを的確にとらえる
第5章 シェイプ 物事には起こり方の「かたち」がある
第6章 ポリフォニー 同時並行で何が起こっているか
第7章 6つのレンズを活用する
第8章 タイミング分析の要点 7つのステップ
コーダ 世の中を想像し直す
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