【アウトドア世界企業、初の著書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822277658

もうすぐ夏休み。アウトドアのシーズンですね。

本日ご紹介する一冊は、カリスマ的アウトドア用品ブランド、スノーピークの社長が、初めて書いた経営書。

年商45億円、売上総利益23億円の優良企業が、何を考え、何を実行し、どう顧客をファン化しているか、その真髄がわかる一冊です。

テントといえば、9800円、１万9800円が主流だった時代に、あえて16万8000円のハイエンド商品で差異化し、見事ブランド化に成功した同社が、どこにこだわって商品開発しているのか、それを知るだけでも、読む価値があるでしょう。

本書のなかから、最も同社のこだわりを感じた部分を抜き出したので、ぜひご覧ください。

＜例えばテントに使うポリエステルやナイロンの生地について、スノーピークでは布の１インチ四方あたりの縦糸と横糸の打ち込み本数などを明確に定めて強度や耐水圧などのスペックを高めている。撥水についても「５回洗濯した後、社内基準で95点以下となる生地は返品」といった基準を明確に定めている。その上に、実際にアウトドアで使いながらテストし、どの程度の生地だとどれだけの風力に耐えられるのかをチェックしてきた＞

その品質への自信から、製品の永久保証をしているという驚きのサービスも実現していますが、かれこれ17年以上続けているという、ファン同士の交流イベントも見逃せません。

薄れていく地域コミュニティの代わりに、みなが同社のイベントに参加している…。それなら、コミュニティが広がっていくのも納得できます。

やはり、売れている企業には、それなりの理由があるものです。

そして、極めつけは、本社の敷地内にキャンプ場があるという話や、社員が全員スノーピークファン、アウトドアファンであるという話。

顧客を熱狂させる商品は、やはり熱狂している社員からしか生まれない、ということなのでしょう。

いやいや働く社員では、もはや厳しい競争には勝てない。ましてそれが趣味の世界のビジネスなら、なおさらです。

スノーピークの経営に、これからの企業経営のあり方を見た、そんな一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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コンパスが指す「真北の方角」を経営に置き換えると、それは、「会社や仕事の目指す方向」になるだろう（中略）スノーピークの「真北の方角」を一言で表現すると、それは「ユーザーの笑顔」である

私たちがオートキャンプのスタイルを提案するまで、日本におけるキャンプのスタイルは大きく２つに分かれていた。１つは「学校行事で行くキャンプ」の流れであり、もう１つは「ゴールデンウィークや夏休みにホテルや旅館にお金を使いたくない人が代用するキャンプ」だった。どちらも豊かなスタイルからは程遠かった。これに対して、ＳＵＶを走らせ「自然の中で豊かで贅沢な時間をすごすためにキャンプをしよう」というのがスノーピークの発想の原点だ

ファンを生む上で一番の核になるのは何か。私はそれは他社と圧倒的に差異化した製品、サービスの提供であると考えている。このため、ミッション・ステートメントには「自らもユーザーであるという立場で考え、お互いが感動できるモノやサービスを提供」と記している

日本の地域コミュニティーでかつて起こっていたことがキャンプ場で再現されている。これこそがスノーピークが媒介になり、コミュニティーができていることの意義だと思う

スノーピークの製品には保証書がついていない。これは製品の保証をしない、という意味ではない。正反対だ。保証期限を定めることなく、永久に製品の保証をしている

私がユーザーとしてアウトドア製品を使うとき、「嫌だな」と感じるケースは大きく分けて２つある。１つは製品が壊れること。もう１つは使い勝手が悪いこと。そして、ユーザー目線に立って「そんなものづくりはしない」と決めている

例えばテントに使うポリエステルやナイロンの生地について、スノーピークでは布の１インチ四方あたりの縦糸と横糸の打ち込み本数などを明確に定めて強度や耐水圧などのスペックを高めている。撥水についても「５回洗濯した後、社内基準で95点以下となる生地は返品」といった基準を明確に定めている。その上に、実際にアウトドアで使いながらテストし、どの程度の生地だとどれだけの風力に耐えられるのかをチェックしてきた

消費者の実感でモノが売れていく時代であり、「誰が一番最初に作ったのか」も、かつてないほど大切になっている

強い財務体質があるため、売り急がない

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『スノーピーク「好きなことだけ！」を仕事にする経営』山井太・著　日経ＢＰ社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822277658

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◆目次◆

Introduction　「真北の方角」に進み続ける
Chapter1　熱狂的なファンが支える
Chapter2　クリエーティブとものづくりの魂
Chapter3　販売は科学 仕組みをつくる
Chapter4　仕事後にキャンプ！のワークスタイル
Chapter5　星空の下で五感を研ぎ澄ます
Chapter6　白い頂へのヒストリー