【つながり過多時代に心を保つ方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344983408
本日の一冊は、月読寺、正現寺の住職であり、ベストセラー作家でもある著者が、煩悩を静める108の教えを説いた話題の新書。
朝日新聞紙上で、2年半にわたり連載してきた「心を保つお稽古」より、108本の記事を選んで一冊にまとめたもので、「つながり過多」の現代に生きるわれわれが、どうすれば心を静められるか、そのヒントを散りばめた内容です。
東日本大震災で流行した「つながり」「絆」という言葉、そしてSNSの流行で、間違いなく「しがらみ」ゆえに「自由」を求める時代が来ると思っていましたが、まさに今はそのピーク。
ディズニー映画『アナと雪の女王』がヒットするのも、そんな時代背景ゆえでしょう。
エーリッヒ・フロムの主張をごく簡単にまとめれば、「人は元来自由を求める生き物だが、自由には孤独がつきまとうので、人はそれに耐えられず愛を求める。そして愛ゆえに束縛され、再び自由を求める」のです。
本日の一冊は、「つながり過多」になって自由を求めるわれわれに、どう考えれば、心静かに生きられるのか、ヒントを提示しています。
・「どちらが得か」を迷うのは心にとっての損
・悪意のない愚かさに怒っても疲れるだけ
・「あなたが優しくしてくれないなら私も」の争いは不毛
・すべては「ありえる」と開き直れば、心は強くなる
人間関係改善のためのヒントも多くあり、新書の割に読み応えがありました。
移動時間に、さらりと読んで、参考にしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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入ってくる情報が増えれば増えるほど心は乱れる
学校や企業や有名人へのクレームは、される側は失うものが多いため、ほんのちょっとした過ちでも「すみません、不手際でした」と屈服せざるをえないですからね。必ず勝てるのが決まった、つまらない戦いなのです。そんなひきょうな戦いを挑みたくなるほど心が惨めになる前に、自分の価値をつり上げたくてしょうがない愚かさに、ハッと気づいてあげましょう
「どちらが得か」を迷うのは心にとっての損
優しくされた相手に攻撃心を持ち続けることはできない
悪意のない愚かさに怒っても疲れるだけ
「あなたが優しくしてくれないなら私も」の争いは不毛
良い扱いを受けたときこそ、喜ぶ代わりに「この扱いも一時的なもの、やがて過ぎ去るもの」とばかりに、諸行無常を念じて執着を手放しておくのが特効薬
すべては「ありえる」と開き直れば、心は強くなる
「自分もやりかねない」という、潜在的な可能性を知っていれば、「ありえない!」を離れて許容する優しさが生まれる
謝るときはよけいな言い訳を付け加えない
著作『道徳の系譜』でニーチェは「他人のために」という善なる道徳は、「他人のことを考えない強者は劣っていて、他人のために尽くす私たち(弱者)は優れている」というふうに、弱者が逆転するためにつくり出したと考えます。だとすると、正義を声高に叫ぶ人の声がうさんくさく聞こえるというものです
心なんて、かくもあっさり体に翻弄される。ですから、仏教では「心を保つ」という難題に取り組む前のステップとして、まずは「体を保つ」ことから始めるものなのです
人とつながりすぎると「快感過多」で不幸になる
「◯◯な自分」というアイデンティティーを打ち立てることこそ、実は不安と苦しみのもと
相手のほうが間違っている証拠があっても追いつめない
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『しない生活』小池龍之介・著 幻冬舎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344983408
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◆目次◆
第1章 つながりすぎない
第2章 イライラしない
第3章 言い訳しない
第4章 せかさない
第5章 比べない
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