2014年3月23日

『アンシンク』 エリック・ウォール・著 vol.3533

【ダニエル・ピンクも絶賛の一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478026653

本日の一冊は、2012年にTEDに登場し、話題をさらった画家・企業講演家のエリック・ウォールによる一冊。

先日ご紹介した、『「型を破る人」の時代』にも、「アーティスト」という言葉が頻繁に出てきましたが、本書もまた、ビジネスマンに「アーティスト」になることを促す一冊です。

※参考:『「型を破る人」の時代』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837957501/

既に多くの人が気づいているように、われわれは、大人になるにつれて、自由な創造力を失ってしまう。

本書のなかに、興味深い記述があったので、ご紹介しておきましょう。オハイオ州立大学認知科学センターの教授で所長のウラジミール・スラウスキー氏の言葉です。

<スラウスキーはこう説明しています。「正確に記憶する能力は初心者のほうがはるかに優れていることが多い。人は賢くなるにつれて、ものごとを分類するようになる。しかし分類の代償として、個々に存在する相異は正確に記憶できなくなってしまう」要するに、人は大人になる代償として、細部を見る能力を失っていくのです>

物事を細部までよく観察したり、疑問を持ったりしなければ、創造的なものは生み出せない。それは、これからの時代には死活問題です。

本書では、われわれが「子どものように」考えるために何が必要か、どう考えればいいのか、説明しています。

挑発的であること(Provocative)
直感的であること(Intuitive)
信念を持つこと(Convicted)
スピーディに結果を出すこと(Accelerated)
自発的であること(Spontaneous)
夢中になること(Surrendered)
独創的であること(Original)

頭文字をつないだ時、「PICASSO」となるこれらの原則を守ることで、創造的になれる。

啓発本としては、ロバート・ヘンライの名著『アート・スピリット』に及びませんが、創造的な生き方をしたい方には、参考になる一冊だと思います。

※参考:『アート・スピリット』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/433605410X/

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「リンゴが一個、木から落ちた。ある男がそこに果物以上のなにかを読み取った。アイザック・ニュートンはこの落下から重力の理論を創り出したのだ。ねじりばねを誤って机から落としてしまった海軍将校は、そこに落下以外のものを読み取った。リチャード・ジェームズはそこから『スリンキー』(ばね状の玩具)を創り出したのだ。ゴムの合成物をテニスシューズの上にこぼしてしまった化学者は、なかなかはがれない物質以外のものを見て取った。パティー・シャーマンはそこからシミ汚れをブロックする保護剤スコッチガードを創り出したのである。細菌の培養中、かびの生えた培養皿が実験室に忘れられたまま置かれていたとき、ある科学者はそこに汚い
培養皿以上のものを見て取った。そこからアレクサンダー・フレミングはペニシリンを発見したのである」(グレン・リョピス『セレンディピティを手に入れる方法』)

スラウスキーはこう説明しています。「正確に記憶する能力は初心者のほうがはるかに優れていることが多い。人は賢くなるにつれて、ものごとを分類するようになる。しかし分類の代償として、個々に存在する相異は正確に記憶できなくなってしまう」要するに、人は大人になる代償として、細部を見る能力を失っていくのです

「いつか」を追求する生き方は、もうやめるべきです

あなたの仕事がなんであれ、挑発的になり、周囲に刺激を与える存在になりましょう

心のなかのアーティストを目覚めさせるには「不足していること」より「正しいこと」を選び取る能力が必要

何度でもチャレンジしなさい。そのために戦うだけの価値のあるものが、この世からなくなることはないのですから

願望と違えば、たとえ成功していてもいい気持ちにはなれない

「私たちは繰り返し実行していることでできている。ゆえに、優秀な人間は一度の行為ではなく、習慣で創られるのだ」

「完璧を期したい」とは、やらないことへの言い訳

多くの研究から、創造力に恵まれた人が数多くの失敗をしているのは、それだけ多くの挑戦をしているからだと証明されています

あなたの人生にはふたつの選択肢がある。本流に飲み込まれていくか、まったくそこを離れた存在になるかだ

自分を制限しようとする誘惑に負けないための唯一にして簡単な方法は、味方をつくることです。同じ視点を共有する人間を集めるのです

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『アンシンク』エリック・ウォール・著 講談社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062188716

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◆目次◆

Chapter1 忘れた自分を取り戻す
Chapter2 「大人の殻」を脱ぎ捨てる
Chapter3 「あたりまえ」を挑発する
Chapter4 直感力を研ぎ澄ます
Chapter5 自分の思いに従う
Chapter6 スピーディに結果を出す
Chapter7 自発的に動く
Chapter8 やりたいことを夢中でやる
Chapter9 自分らしい自分を表現する
Chapter10 自分のピカソを見つける

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