2013年7月31日

『ともにしあわせになるしあわせ』矢崎和彦・著 Vol.3298

【独創性を生む、フェリシモの経営哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486276150X

本日の一冊は、アイデアとセンスに優れ、多くの女性をとりこにしているカタログ販売企業、フェリシモの経営哲学と、そのユニークな商品開発事例を紹介した一冊。

著者は、創業者である父や兄の跡を継ぎ、現在、同社代表取締役社長を務める矢崎和彦さんです。

タイトルの『ともにしあわせになるしあわせ』を見て、「また上っ面の社会起業系か」と思った方は、以下の文章を読めば、著者がいかにバランス感覚に優れた方か、わかると思います。

<社会性はそれ単体で実現させることはできません。利益という事業性があってこそ、社会性は実現できるのです。そして事業性から利益を生むには、独創性が必要になる。この3つは、切っても切れない関係にあるということです>

事業性をきちんと押さえた上で社会性のある事業に挑む。そしてそこに、社員の独創性を発揮してもらう…。

<しあわせの贈り手になることほど、しあわせなことはない>

というのが著者の信念だそうですが、この思想は一体どこから生まれたのか。本書にそのヒントが書かれていたので、ご紹介します。

<一人の人からたくさん儲けさせてもらおうと思うな。1円でも10円でもいいから、たくさんの人から愛されなさい。たくさんの人から支持をいただくことこそが商売では重要だ>

ネットワークで、あらゆる人や企業がひとつにつながる時代。そんな時代において、顧客に支持されるヒントが、本書には書かれています。

洋服のようなデザインのペットボトルカバー「ミュニデ」、「500色の色えんぴつ」など、ユニークな商品の事例は、商品開発のヒントとしても読めると思います。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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社会性はそれ単体で実現させることはできません。利益という事業性があってこそ、社会性は実現できるのです。そして事業性から利益を生むには、独創性が必要になる。この3つは、切っても切れない関係にあるということです

売り手は単なる売り手であるべきではないし、買い手は単なる買い手ではないのではないか

そもそも商品が「売れる」「売れない」というのは、フェリシモの商品開発者の「使ってほしい」「参加してほしい」という「思い」がお客さまに届いたか、届かなかったか、の違い

2001年に販売が始まり、260万個以上売れた大ヒット商品があります。それが「ミュニデ」です。ペットボトルのカバーですが、人が洋服を着ているようなデザインになっている。また、洋服から伸びている手を、別の「ミュニデ」の手とつなぐことがで
きる商品です

(「500色の色えんぴつ」は)単品販売や一括販売はしていません。20カ月、順番に届くのを待ってもらうしかない仕組みです。単品で届ける価値と複数回で届ける価値とは違うと私たちは考えています

私は「自分たちが好きなものしか売らない会社にしよう」と言い続けています。自分たちが愛するものや好きなものを売ることのできる会社は素敵です

作ろうとしているのは、「通信販売のカタログ」ではないのです。私たちフェリシモの世界観を伝えるカタログです

フェリシモの採用といえば、ユニークと言われるのが、選考のある段階で配られる「自分カタログ」です。A4判で、画用紙のような硬めの真っ白な紙が16ページ綴じられた1冊の冊子を渡します。そして、自分を売り込むためのカタログを作ってもらうのです

社員が人生を賭けるにふさわしい会社が作れるか

世の中には、課題は山ほどあります。しかし、夢の数はもっと多いと思います

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『ともにしあわせになるしあわせ』矢崎和彦・著 英治出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486276150X

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◆目次◆

I 「しあわせ」という言葉を社名にする企業
II 「しあわせ」を創造するフェリシモの仕事
III 「しあわせ」をめざす仕事のスタイル
IV 「しあわせ」を生み出す経営

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