【ちきりんの考えるこれからの働き方とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163764100
本日の一冊は、月間200万PVを誇る人気ブログ「Chikirinの日記」の著者、ちきりんさんによる働き方本。
先日は、本田直之さんの『あたらしい働き方』を紹介しましたが、あちらは企業のケースが多く、あくまで会社組織を前提にした話。
※参考:『あたらしい働き方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478023808
一方、ちきりんさんのこの『未来の働き方を考えよう』は、来るべき長寿社会にあって、どう生き方や働き方をシフトしていくかという個人ベースの話が書かれており、かなり新しい印象を受けました。
本書で延べられている内容のうち、もっとも印象的だったのは、<「一生ひとつの仕事」は非現実的>だという主張。
多くの人は、現在の仕事で一生食べていけるか、老後のストックを作れるかという点で悩んでいるわけですが、本書はそこに対して、まったく違った視点を提供しています。
いわく<人生100年の時代になれば、ストックが多いことより、その時々になんらかの価値を生み出し続ける「フローの力」の方が重要>。
「間欠泉的キャリア」「2パターンの職業人生」「いろいろなプチ引退」など、キーワードがたくさん出てきて、興味深く読むことができました。
以前聞いた講演テープで、セコムの創業者、飯田亮さんが、「人間はストックで生活するとダメになる」という趣旨の言葉を述べていましたが、まさにそれと同じことが説かれています。
ストックに振り回され、つまらない人生を送るのではなく、今すぐワクワクする人生を実現する。
そのためのヒントが詰まった一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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優れた技術と優秀なリーダーがいれば、たとえ個人であってもファンドやエンジェル投資家から多額の資金を調達し、世界一流の人材を雇い、大規模な投資や開発をすることが可能になった
人生100年の時代になれば、ストックが多いことより、その時々になんらかの価値を生み出し続ける「フローの力」の方が重要になります
過去に貯めたものだけではもたないほど人生が長くなると、たくさんの資産をもつ人から生きる力のある人への、パワーシフトが起こるのです
大組織に一生囲われて生きる「安泰だけれど40年以上中断できないキャリア」と、「5年働いて数カ月休む」、「10年働いて2年間留学する」、「3年働いて、半年は専業主夫」といった自由度がある間欠泉的キャリア。みなさんはどちらを、好ましい働き方だと思われるでしょう?
「アジア 就職」で検索すると、日本人にアジア各国での仕事を紹介するサイトがたくさん見つかります
「不動産も子どももいらない。その代わり、あまり長い期間、働きたくない」と言い出す社会を、不健全だとも思わないのです
「一生の間に、2パターンの職業人生をおくる」という考え方は、寿命が延びる中で正解の見えない時代を生きる人にとって、様々なメリットがある、とてもいい案だと私は考えています
◆いろいろなプチ引退
パターン1.半年だけ働く「シーズン引退」
パターン2.週に2、3日だけ働く「ハーフ引退」
パターン3.好きな仕事だけを引きうける「わがまま引退」
パターン4.(共働きの場合)ひとり1年ずつ引退する「交代引退」
自分のやりたいことが明確になれば、人生はものすごく楽になる
これから社会に出る人には、できるかぎり市場感覚を身につけられる仕事を選ぶことを、お勧めします
最近は誰にとっても「市場から稼ぐ」ことが、これまでより容易になりつつあります
今後は、たとえ組織の中で働く人であっても、市場から稼ぐことができなければ、生きていけなくなります
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『未来の働き方を考えよう』ちきりん・著 文藝春秋
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◆目次◆
序 章 “働き方本”ブームが示すモノ
第一章 現状維持の先にある未来
第二章 世界を変える3つの革命的変化
第三章 新しい働き方を模索する若者たち
第四章 「ふたつの人生を生きる」
第五章 求められる発想の転換
終 章 オリジナル人生を設計するために
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