2013年5月4日

『ランチェスター戦略「小さなNo.1」企業』福永雅文・著 Vol.3210

【小さくても勝てる経営とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534050674

本日の一冊は、ランチェスター戦略を専門とする経営コンサルタントであり、NPOランチェスター協会常務理事、ランチェスター戦略学会常任幹事も兼務する著者が、「小さなNo.1」企業45社のケーススタディをまとめた一冊。

ランチェスター戦略とは、もともとはイギリス人の航空工学の研究者F・W・ランチェスターが第一次世界大戦の時に提唱した戦闘の法則で、その後、コロンビア大学の数学教授B・O・クープマンらが応用し、戦争の法則として発展させたもの。日本では、社会統計学者の斧田太公望氏と田岡信夫氏が広めたもので、第一法則と第二法則とに分けられます。

◆ランチェスター第一法則
戦闘力=武器効率×兵力数

◆ランチェスター第二法則
戦闘力=武器効率×兵力数の二乗

集団が同時に複数の敵に攻撃できる武器を使って戦った場合、この第二法則が適用されるわけですが、どちらの公式に基づいても、小さな組織は大きな組織に太刀打ちできません。

そこでカギとなるのが、「局地戦」。

<局地戦に持ち込み、兵力を集中させれば、その局面においては兵力数をライバルよりも多く>できるのです。

本書で紹介されているケーススタディは、まさに45社の「局地戦」の戦略の実践例といえるもの。

外科手術用針市場でシェア70%を超えているマニー、綿密なシミュレーションと大胆な投資で東京二十三区に強力な配送網を築き上げたカクヤス、中高年女性に特化して成功したフィットネスクラブのカーブスなど、成功例を見ているだけで、次々と事業のアイデアが浮かんできます。

1社当たりのページ数は少ないものの、要点はきっちり押さえている本だと思います。

中小企業経営者、起業予定のビジネスパーソンは、ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「弱者は自ら売り切る力を持て」

卸問屋は一番、すなわち強者の製品は熱心に売ります

◆マニーの基本方針
・世界一の品質以外目指さない
・医療機器以外扱わない
・製品寿命の短い製品は扱わない
・ニッチ市場以外に参入しない

缶ビール一本から配送無料で、東京二三区内ならどこへでも、三六五日休みなく指定の時間帯に届ける究極のサービスで東京最大となった酒店カクヤス

客単価と配送回数をシミュレーションしてみると買上金額によらず配送無料でも採算がとれることがわかりました(中略)東京二三区全域どこへでも届けることにしなければ、お客様には価値が伝わらない。一二〇店程度の出店をすれば半径一・二kmのカクヤスモデルで二三区全域をカバーできる。あと一〇〇店近く出店しよう。デッドラインは〇三年だ

アマゾンもアスクルも、その肝心要な玄関先に届ける機能を外部委託しています。全店全配送を自前で行なえるのはカクヤスだけです。このインフラの可能性は無限大です。すでに文具と生花は取り組み始めています

呉服全体ではなく風呂敷という小さく、斜陽のため盲点となっている一部分に集中する(ふろしきや)

カーブスは女性専用です。主に中高年を対象としています。五〇代・六〇代が会員の六割を占めます。一回の運動時間は三〇分です(中略)カーブスはNo Men、No Make-up、No Mirrorの3Mのコンセプトを打ち立てます。プールもシャワーも、いかついマシーンもありません。苦しい運動も、退屈な待ち時間もありません

「雑魚は雑魚の生存領域に生息すれば、鯨に食われることはない」(株式会社アトムチェーン本部)

顧客の平均年齢七三歳。なかには九〇代もいるという、シニア層に特化した旅行代理店ニッコウトラベル。一人あたりの平均単価は五五万円と高額で、顧客の七〇%超がリピートする

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『ランチェスター戦略「小さなNo.1」企業』福永雅文・著 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534050674

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◆目次◆

はじめに “小さなNo1の法則”とは
第一部 「集中×差別化=No.1」七社の事例分析
第二部 「何に集中し、どのように差別化し、No.1を目指すのか」
三八社の事例分析
第三部 競争戦略のバイブル「ランチェスター戦略」その基本理論

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