2013年5月7日

『エフェクト』ブライアン・ソリス・著 Vol.3213

【SNSがもたらしたビジネスの本質的変化とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761269138

本日の一冊は、世界的に有名なカンファレンスであるTED、SXSWなどで活躍する著者、ブライアン・ソリス氏によるベストセラーの邦訳。

先日、かんき出版さんに呼ばれて行った講演会では、正直著者の魅力を感じることはできなかったのですが、本書を読んで、その先端事例のすごさに、驚愕しました。

本書の原題は、『The End of Business As Usual(従来型のビジネスはもう終わりだ)』ですが、ここで言う従来型のビジネスというのは、未だにホームページもブログもやっていない、古い体質のメーカー、小売りのことではありません。

ホームページも、ブログも、Facebookもやっているけれど、未だに顧客に古いアプローチを続けている企業、来るべきバーチャルテクノロジー時代に適応できていない企業のことを指しているのです。

本書で示された、未来のショッピングの姿は、衝撃です。

お客が現実の店舗を訪れた際、そこには隠れたコンテンツや特典があり、使った人の感想もわかる。

また現在では、歩きながらメールが打てる(現実の視界とメール画面がドッキングする)アプリも開発されつつあり、そのうち、リアルとバーチャルがドッキングした状態で、購買行動、クチコミ活動が展開されることになるのです。

こんな近未来を迎えるにあたって、われわれはどうやって消費者とつながっていけばいいのか。

本書では、そこに対する著者の見解が示されています。

ぜひ読んで、未来の購買行動、マーケティングの世界を体感してください。

これは、必読の一冊だと思います。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ログインしたときに、ソーシャル・ネットワークがおすすめユーザーを示すのには理由がある。ユーザーが、同様の趣味や関心をもつ人とより多くつながってほしいからだ。共通の趣味によってソーシャルグラフが拡大すれば、広告主やマーケッターにとっては顧客ターゲットとなる消費者の集まりが大きくなるからだ

信頼の領域に入るには2つの方法しかない。1つは、あなたの企業にすでに直接的につながっている人の信頼の領域への侵入であり、もう1つは、すでに直接的な関係ができあがっている人を通した=間接的につながる人の信頼の領域への侵入である

チェックインをすれば、場所に命が吹き込まれる。RFID(電波による個体識別)により、顧客はデバイスを通して居場所を発信することもできるし、QRコードとマイクロソフトタグを通して隠れたコンテンツと特典を知ることもできる

デジタル知識人は従来のWebサイトをもう訪れないので、彼らをWebサイトに誘おうとするのは無意味な試みになりつつある

JCペニーはハースト・デジタル・メディア、メタイオと提携し、AR、モーションキャプチャー、eコマースを組み合わせたバーチャル試着室を導入した(中略)もっとも重要なのは、スナップ写真を撮り、それをソーシャル・ネットワークに投稿して、つながる友人に意見を求めたり、写真を見せたりすることができることだ。もちろん、その場で商品を買うこともできる

移動中も前を向いて携帯メールを打ったり、入力をしたりするための内蔵カメラを使った新たなアプリが開発されつつある。このアプリを使えば、携帯をかざすだけでつながる消費者の視界は完成する。つまり、バーチャル世界と現実世界がここで重なりぶつかる

つながる消費者と結びつくには、コミュニティの一部にならなければならない

消費者が商品やサービスを体験するとき、何が起こるだろうか?を考えてみよう。たとえば、ボルボを運転するときは安全性を感じ、ジープを運転するときは、冒険心を感じる。ナイキのシューズを履くと、速く走れるような気がする

マッキンゼーの研究によると、積極的な評価の3分の2は、オンライン評価、口コミによる推薦、店舗内の交流、過去の経験によるものだという

◆ソーシャル消費の「4つのA」
1.行動(Action)
2.助言(Advisory)
3.親近感(Affinity)
4.支持(Advocacy)

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『エフェクト』ブライアン・ソリス・著 かんき出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761269138

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◆目次◆

Chapter1 つながる消費者の静かな反乱が始まった
Chapter2 ミレニアム世代が引き起こした激震が、消費社会を変える
Chapter3 Webも現実もソーシャルグラフに収束する
Chapter4 情報伝達のパーソナライズ化をどう活用するか
Chapter5 ヒューマン・ネットワークこそ最強の媒介手段
Chapter6 観衆をもつ観衆たちの関心を、いかに引きつけるか
Chapter7 エンゲージメントに不可欠な影響力を評価する
Chapter8 つながる消費者が起こしたネットワーク革命
Chapter9 ソーシャル消費者にエンパワーメントとリワードを与える
Chapter10 魔法のような購買体験と共有世界の創造
Chapter11 エンゲージメントの責任者には管理職がふさわしい
Chapter12 消費者の心理行動をポジティブな方向に導く
Chapter13 顧客の声を聞くことが、エンゲージメント到達への第一歩
Chapter14 顧客を魅了し、強力なエフェクトを引き起こす法
Chapter15 顧客のためを思い、顧客が幸せになれば、ビジネスは成長する
Chapter16 世界を変えよう。企業に変化をもたらそう。今度はあなたの番だ
Chapter17 遺産、文化、伝統、栄誉に成長をはばまれた日本のブランド研究

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