【自己肯定感を育む条件とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062881985
ビジネス書の仕事を通じて、数多くの成功者にお話を聞きましたが、みなさん共通するのは、「自己肯定感」が極めて強いということ。
ビジネス書の棚は、いつもスキル本やノウハウ本でいっぱいですが、じつは一番大事なのは、この「自己肯定感」ではないかと思います。
肝心のところで自己肯定感が満たされていれば、ファクト(事実)に目が向くようになるし、他人の言動にもいちいち否定的な反応をしないですみます。結果、たくさんのチャンスや味方を手に入れることが可能になるのです。
本日の一冊は、この「自己肯定感」をどう育めば良いのか、ベストセラー『五体不満足』でおなじみの乙武洋匡氏が持論を述べた新書。
四肢のない身体に生まれながらも、前向きに生き、有名大学合格、500万部のベストセラー、スポーツライター、東京都教育委員就任など、数多くのチャンスをモノにしてきた著者。
そんな著者が、ご両親にどう育てられたのか、どんな恩師に支えられてここまで来たのか、詳細なエピソードが述べられています。
身体が不自由な息子のために近所に「応援団」を作ってくれた母親、あえて厳しくすることで自立を促した恩師の高木先生、スポーツライター時代に城島健司選手から聞いた良いキャッチャーの条件…。
内容の大半は、家族や教育現場の話ですが、ビジネスの現場に置き換えて考えると、じつに示唆に富んだ内容だと思います。
いくつか、ポイントを紹介しましょう。
<むずかしいことはわかっている。それでも、僕らが「平均」や「標準」というモノサシを捨て、その子なりの特性や発育のペースを尊重してあげることができたら──きっと、幸せな子どもが増えていくと思うのだ>
<「オトくん、ダメなキャッチャーというのはね、打たれたくないという気持ちから、ピッチャーに細かいコントロールばかり要求してしまうんだ。でも、そうするとピッチャーは腕が縮こまって、いいボールが投げられなくなる。反対にいいキャッチャーというのは、『打たれたらオレが責任取るから、とにかく思いきって投げてこい』と言ってやれるの。そうすると、ピッチャーは腕が振れるようになって、かえっていいボールが投げられるようになる」(城島健司選手)>
上司として、部下をどう導くか。どうすれば部下の健全な「自己肯定感」が育めるのか。
知りたい方は、ぜひ本書をひも解いてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いまから四十年近くもさかのぼる時代。当時の人々の意識は、「見世物小屋」時代を引きずっていたとしてもおかしくない。障害のある子どもが生まれても、けっして口外することなく、家に閉じこめたまま、外にも連れださずに育てていたという話も聞いたことがある。そうした時代に、僕を積極的に外へと連れだし、ご近所さんに見せてまわり、少しずつ“応援団”を増やしてくれた母の勇気ある行動に、心から感謝している
僕の両親の子育ては、まさに「ほめて育てる」ものだった。もちろん、道徳的にまちがった行動をしたときには、みっちりお説教を受けることもあったが、何かが「できない」ことで叱られたという記憶はない
「それは……あなたが障害者だったからかもしれない」
──え、どういうこと?
「あなたが生まれてきたとき、四肢のない身体を見て、『この子は一生寝たきりの人生を送るのかもしれない』と思ったの。それでも、ベッドの上で元気に笑ってさえいてくれたら、それでいいって。そこがスタートだったから、それからはあなたが何をしたって、私たち夫婦にはよろこびでしかなかったのよ」
むずかしいことはわかっている。それでも、僕らが「平均」や「標準」というモノサシを捨て、その子なりの特性や発育のペースを尊重してあげることができたら──きっと、幸せな子どもが増えていくと思うのだ
真の厳しさとは、真の愛である
「もしね、君が万が一、水の事故に遭ったとき、だれかが救助に駆けつけるまで、自力で水に浮いていられるように、せめてそこまでにはしておきたかったんだ」(恩師・高木先生)
「オトくん、ダメなキャッチャーというのはね、打たれたくないという気持ちから、ピッチャーに細かいコントロールばかり要求してしまうんだ。でも、そうするとピッチャーは腕が縮こまって、いいボールが投げられなくなる。反対にいいキャッチャーというのは、『打たれたらオレが責任取るから、とにかく思いきって投げてこい』と言ってやれるの。そうすると、ピッチャーは腕が振れるようになって、かえっていいボールが投げられるようになる」(城島健司選手)
「できないものは仕方ない。その代わり、できることで全力を尽くそう」障害の有無にかかわらず、自分の弱点をそんなふうに思えたら、どんなにラクだろう。自分というピースの「へっこみ」ばかりを気にしているから、つらくなる。もっと自分の「でっぱり」──得意なこと、できることに目を向けていけばいいのだ
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『自分を愛する力』乙武洋匡・著 講談社
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◆目次◆
第一章 息子として
第二章 教師として
第三章 父親として
自分を愛せない人への処方箋
対談 乙武洋匡×泉谷閑示(精神科医)
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