2013年3月20日

『僕らの時代のライフデザイン』米田智彦・著 Vol.3165

【生き方の可能性を模索する】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478022682

本日の一冊は、不確実な時代の新たなライフデザインを探った、興味深い一冊。

2011年に約1年間、「ノマド・トーキョー」と題した生活実験を行った著者が、新たな生き方、働き方、住まい方を、先端事例と共に紹介する、生き方のケース集です。

<今は誰もが不確実な時代を生きています。確かなのは、これからは不安定で、不安な時代を生きるということだけです。だからこそ、「あいだ」を行き来しながら途中変更、試行錯誤を前提としたライフデザインが必要なのです>

本書のなかで紹介されているアイデアは、「モノを所有する」から「シェア」への転換、複数の自分を持つ、「多アカウント」の考え方、「多拠点」の生活、DIY、偶然性を生かしたキャリアなど。

いわゆるノマド系の方が言っていることとほぼ同じですが、コンセプトを整理した点、実際に始めている人々に取材した点がポイントでしょう。

東京・渋谷のシェアードワークプレース「co-ba」、都市のユニークな物件や空地を発見するサイト「東京R不動産」、リノベーションのDIYを応援する「全国床張り協会」など、実際に使えるサービスも紹介されており、興味深い内容です。

すべての職業の方が適用できるかどうか、移住したとして新しいコミュニティに溶け込めるかどうか、どうやってマネタイズするか、未だノマドからビッグビジネスが生まれていないことなど、課題は山積みですが、生き方の選択肢として、チェックしておくといいと思います。

特に、最後の方の偶発性を生かしたキャリア、スティーブ・ジョブズが言った「コネクティング・ザ・ドッツ」(点と点をつなげる)の考え方には、大賛成です。

キャリアや生き方を見直したいと思う方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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今は誰もが不確実な時代を生きています。確かなのは、これからは不安定で、不安な時代を生きるということだけです。だからこそ、「あいだ」を行き来しながら途中変更、試行錯誤を前提としたライフデザインが必要なのです

モノを所有するという固定観念から自由になってみる

クラウドコンピューティングの発達と、モバイルデバイスの進化により、パソコンと携帯電話があれば、いつでもどこでも仕事ができる

心理学的には、複数の自己を持っていた方が精神衛生上効果的

複数の自分を持つ、「多アカウント」の時代

行動を変えるために最も効果的なこととは何なのか。手っ取り早い方法としては、「場所を変える」ということです

最初からマネタイズや利益を念頭に人付き合いを考えてしまうと、なかなか偶然の出会いを呼び込むことはできない

これからは「場づくり」から仕事が生まれる

「金を稼ぎ、引退してから第二の人生を送るのではなく、自分が過ごしたいと思う第二の人生を、今すぐに行動に移してしまうという考え方」(大石哲之氏)

遊びと労働の「あいだ」で仕事をする

東京と郊外とのデュアルライフ(二重生活)

都会と自然の往復を求める動きは今、確実に増えてきています。その背景には、現代人が失いかけている「身体性」の復権というテーマがあるはずです

「これって業者やプロじゃなくて、自分でもできるのでは? という問題を検討してみると、意外にできることがわかります」(全国床張り協会 伊藤洋志氏)

未来への視点を変えるためには、まず計画の完全性を追求するのではなく、途中で起こるはずの偶然性を前提として動き出す

「コネクティング・ザ・ドッツ」(点と点をつなげる)

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『僕らの時代のライフデザイン』米田智彦・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478022682

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◆目次◆

プロローグ 「ノマド・トーキョー」という生活実験
第1章 「セルフデザイン」
    しなやかさは「多面性」から生まれる
第2章 「ワークデザイン」
    「つながり」が生む働き方
第3章 「リビングデザイン」
    デュアルライフ時代の「多拠点住まい術」
第4章 大航海時代のキャリアデザイン
第5章 「あいだ」を行き来するこれからの人生設計

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