2011年12月12日

『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』デイヴィッド・ ミーアマン・スコット、ブライアン・ハリガン・著 Vol.2700

【祝・2700号】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248526

本日の一冊は、糸井重里さんの発案で日本語訳された、一風変わったマーケティング書。

音楽ファン以外には、あまりなじみがないにもかかわらず、何と年間5000万ドル稼ぐという、驚異的なヒッピーバンド、グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ、というコンセプトの本です。

ちなみに本書を紹介するにあたって、創業メンバーで音楽好きのM長君に聞いてみましたが、「何でよりによってグレイトフル・デッドなの?」という反応。

やはりマイナーなのは、間違いないようです。

しかし、そんなマイナーバンドが40年以上前から存続し、かつ斬新なビジネスモデルで莫大な収益を上げているという。

それも、あの天才コピーライターにして、「ほぼ日」も成功させた糸井重里さんが絶賛している。

これは、食指が動かぬはずがありません。

読んでみると、確かに、40年以上前から「フリーミアム」を実践していたり、レコードを売るためにライブをやるのではなく、ライブ自体を商品にしたりと、斬新な視点が目立ちます。

しかしながら、本書の本当の価値は、フリーにすることでリーチを増やす、No.1になるために新しいカテゴリーを創る、仲間意識を高めるためにネーミングにこだわる、顧客リストを整備するといった、マーケティングの基本をきっちり押さえているところにあります。

今年のキーワードは「絆」でしたが、本書には、この「絆」を生かしてどうビジネスを展開するか、その指針が示されています。

コラムとして、アメリカのベンチャー企業の事例なども掲載されているので、ビジネスモデルやマーケティングを学ぶには、いい内容だと思います。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「大衆操作的」ではないマーケティングもあるんです。むしろ、大衆のほうが、自らマーケットを創っていくようなマーケティングもあるんです(糸井重里)

ライバルのバンドと一線を画すようなサービスをファンへ提供するために、ほかでは絶対にやらないようなことに取り組んだ。例えば、ライブにきたファンに自由に録音させ、手作りのテープをファン同士が交換することを許した。これは、基本的なサービスを無料で提供する「フリーミアム」の先駆けだった

グレイトフル・デッドは、よそとは正反対のことをやる「コントラリアン・マーケティング」の、壮大なケーススタディなのだ

グレイトフル・デッドは、「製品」を革新することよりも、「ビジネスモデル」を革新することのほうが、ずっと重要なのだと教えてくれる

ロックバンドとレコード会社、その他いろんな取り巻きにとって収入の源になるアルバムの販売を促進するためにライブをするのが基本的な「ビジネスモデル」だった。だが、グレイトフル・デッドは、このモデルを覆した。ほかのバンドのようにアルバムを販売することではなく、ライブから収入を得ることに全力を注いだのである。また、そうすることで、ほかのバンドとはまったく異なる「ファン体験」を作り上げた

忘れられない名前をつけよう

親が忌み嫌い、あまりクールではない同級生や職場の同僚が嘲笑する名前には、内輪にしか通じないジョークのようなところがある。だから、かえって仲間意識が生まれた

「サーベイ・モンキー(世論調査+猿)」は興味をそそられる会社名だ

新しいカテゴリーを作ってしまおう

他人とは異なる自分でいたい人を狙え

1984年には、いい音質で録音できるようミキシング・コンソールの背後に専用スペースを設け、特別なチケットがないと入場できないようにした

コンテンツを無料にすることで「リーチ」を増やそう

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『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』デイヴィッド・ミーアマン・スコット、ブライアン・ハリガン・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248526

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◆目次◆

Chapter1 ユニークなビジネスモデルをつくろう
Chapter2 忘れられない名前をつけよう
Chapter3 バラエティに富んだチームを作ろう
Chapter4 ありのままの自分でいよう
Chapter5 「実験」を繰り返す
Chapter6 新しい技術を取り入れよう
Chapter7 新しいカテゴリーを作ってしまおう
Chapter8 変わり者でいいじゃないか
Chapter9 ファンを「冒険の旅」に連れ出そう
Chapter10 最前列の席はファンにあげよう
Chapter11 ファンを増やそう
Chapter12 中間業者を排除しよう
Chapter13 コンテンツを無料で提供しよう
Chapter14 広まりやすくしよう
Chapter15 フリーから有料のプレミアムへアップグレードしてもらおう
Chapter16 ブランドの管理をゆるくしよう
Chapter17 起業家と手を組もう
Chapter18 社会に恩返しをしよう
Chapter19 自分が本当に好きなことをやろう

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