【教育の時代から研究の時代へ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864100632
本日の一冊は、ハレー彗星探査機「さきがけ」「すいせい」、光学実験衛星「ひてん」、火星探査機「のぞみ」などのミッションに携わり、奇跡の帰還となった「はやぶさ」では、プロジェクトマネージャーを務めた著者が、その思考法を語った一冊。
日本が現在の閉塞感から抜け出すには、イノベーションを起こすことが必須。
しかし、掛け声だけでは、何も動きません。
人を動かすには「評価」と「ビジョン」が連動する必要がありますが、本書では、これからの時代の評価として、減点法より加点法を
勧めています。
減点主義になるとどうしても保守的になりがちですが、加点主義であれば、思い切ったチャレンジができる、というのがその理由です。
また、著者の例を引くまでもなく、現在できていることは意外と過去の失敗が元になっていたりします。そう、失敗は必ずいつか役に立つのです。
本書ではほかにも、規則の絶対視を戒めたり、未来につながらない学びを批判したり、イノベーションを起こすための考え方がいくつも出てきます。
閉塞感を打ち破りたい組織の長に、そしてこれから社会にでるチャレンジ精神旺盛な若者に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「本は一ページでも役に立てば、それでよい」(ある先輩の話)
「満点の演技でした」「満点のできでした」。そういう言葉を日本人は使いたがります。自然、自然と自らに天井、上限を設けて生活をしたがる習性があります
社会生活を営む大多数の人間は、評価を求めて生きますから、適用される評価法に合わせて行動様式を変えます。失敗がカウントされるなら、失敗を減らすように努めるし、成功がカウントされるなら成功を増大させようと努めるわけです
マージンとは、煎餅の耳のようなものです。はみ出した部分です。最近は、はみ出した部分を、限界まで切り落とせという議論が進行しがちです。しかし、耳のない煎餅を作ろうとしたら、煎餅は型よりも小さくなってしまいます。煎餅に耳があること、それが負のスパイラルに入らないための心がけでもあるでしょう
不況だからこそ、将来、花開くかもしれない研究に投資すべき
何か現行よりよい方法、面白いことを思い付いた、けれど、それは適法でないという場合、そこで諦めてしまうことが多くなります。法規を改正して、それができるようにしようとは、なかなか考えられないのです
本当にその規制が必要かどうか、常に検証が加えられるべき
「学びのプロ」になってはいけない
そもそも、教育とは、国家がその国に貢献する人材を育てるための活動
高村光太郎ではありませんが「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」、そうなったら素晴らしい
一つだけ注意しなければならないのは、いかなる独創性も理解者を得ないと埋もれてしまうということです。そのために何が必要かと言えばディベート(debate)能力、そしてプレゼンテーション(presentation)能力です。発想が独創的であればあるほど、説得する能力が問われます
宇宙科学研究所に入って間もない頃、松尾弘毅先生(宇宙科学研究本部名誉教授)から「どっちにするか迷うくらいなら、どっちでもいいんだ」という最適化の極意を教わりました。あらゆる可能性をリストにし、そこからベストを選ぶのではなく、とりあえず問題を解決する方法があるのなら、それでいいじゃないかということ
もはや、時代の要請は、これまでのような教育ではありません。私たちが求められているのはイノベーションを引き起こすような、インスピレーション研究でしょう
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『「はやぶさ」式思考法』川口淳一郎・著 飛鳥新社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864100632
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◆目次◆
第1章 地図だけ持って東京へ
第2章 「幼少の頃から優秀で……」なんてエピソードには程遠い俺の青春
第3章 引っ越し、引っ越し、また引っ越し
第4章 スープデザインというやり方
第5章 尾原式会社論
第6章 発見しながらデザインする
第7章 プランクトンで目指すものづくり
第8章 逆行
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