2010年6月11日

『私にはもう出版社はいらない』アラン・シェパード・著 vol.2151

【アマゾンを使ってセルフパブリッシング】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872904826

本日の一冊は、アメリカ・ワシントン州在住の絵本作家で、セルフパブリッシング(自費出版)だけで生計を立てているという著者が、本の制作から販売まで、すべてをウェブサイト上で行うノウハウを公開した、衝撃の一冊です。

著者が提唱しているやり方は、アマゾンとPOD(Print On Demand)を使ったやり方で、ジャンルはノンフィクションに絞り込んでいます。

単なる啓発書や自慢話の類ではなく、実際にサイトをどう使ってどう作り、売るかという実践的ノウハウを書いており、必要なURL、ウェブ上のサービス、手順まで、じつに詳しく書いています。

ページ数はどれぐらいが望ましいのか、タイトル、サブタイトルのつけ方はどうか、表紙を作る際の注意点、販売の際のポイントは何か…。

なかでも感心したのは、副題を2段構造にして、さまざまな検索キーワードに対応するという話。

ほかにも、アマゾンの仕組みやデータを踏まえた話が多く、セルフパブリッシングに限らず、アマゾンを使って本をプロモートしたい人には、役立つ情報が満載です。

先日監修した『Me2.0』の監修者あとがきで、「ダイレクトコミュニケーションの時代」ということで書かせていただきましたが、本書はダイレクト出版について、体験者が網羅的に書いた、まさに実践の書です。

ダイレクト出版にチャレンジする方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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アマゾン・コムに焦点をしぼり自分の本を売る。セルフパブリッシング(自費出版)がビジネスとして成功するための第1原則はこれだ

セルフパブリッシングとアマゾンを駆使した私の出版システムでは、著者利益は表示価格の半分以上と極めて高い

すでに多くの読者がいるノンフィクション分野がセルフパブリッシングに向いていると言える。実用やビジネスなど、人気の検索ワードを予測しやすいノンフィクション分野での執筆は、アマゾンで本を売って一山当てる大きな可能性を秘めている

100ページ強という拙著『児童書を出版するには(The Business of Writing for Children)』も、ライバル書に比べて短い点がうけた可能性がある

www.fonerbooks.com/surfing.htm
[グラフで紐解くアマゾン・セールス・ランキング]

ベストセラーとまったく同じジャンルの本を書いて真っ向から競争を挑むか、ベストセラーを補完する本を書くか

アマゾンで本を売る場合、タイトルはふたつにわけて考えるといい。読者の注目を集めるためのタイトルと、本を検索にかかりやすくするためのサブタイトル──副題だ

アマゾンのサイトでも、入力頻度の高い検索語のヒントは得られる。アマゾンの検索ボックスに探したい言葉を入力し始めると、同じ字で始まり、検索頻度の高いことばが自動表示されていく

副題を2段構造にすれば、「執筆」と「書く」、「出版」と「出版する」、「児童」と「子ども」といった具合に、同じことを言い換えた言葉を盛りこめる

アマゾンでの売れ行きを左右する鉄則は「ひとつの版型にしぼる」ことだ

拙著『児童書を出版するには』が売れたのも、作家や編集者など、児童書の世界でよく知られている約20人から先に推薦コメントをもらったことが大きい

なか見!検索でのデータ公開をやめた拙著で、とくに売上減は起きていない

自称アマゾンの「専門家」の提唱するテクニックに時間とコストを投じる前に、その人たちの書籍のセールスランキングを見るといい

2009年の調査によると、リストマニア・リストに載っている書籍の詳細ページを閲覧するカスタマーは1%に満たない

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『私にはもう出版社はいらない』WAVE出版 アラン・シェパード・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872904826

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◆目次◆

特別寄稿 ITジャーナリスト 佐々木俊尚
第1章 アマゾンでセルフパブリッシング事始
第2章 アマゾンで売れる本を作るには
第3章 アマゾンにアクセスする
第4章 アマゾンでのマーケティング
第5章 アマゾンをモニターするには
第6章 アマゾンで買ってもらうには
第7章 アマゾン向けの改訂
第8章 アマゾンで世界を目指す
付録1 セルフパブリッシングTips集
付録2 セールス・ランク・エクスプレスの使い方
訳者あとがき

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