【「経済予測脳」を鍛える】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478012059
本日の一冊は、アメリカの住宅バブル崩壊を予測し、現在、もっとも予測が当たるエコノミストの一人として知られる中原圭介さんが、「経済予測脳」の作り方を指南した一冊。
著者いわく、「目の前に起こっている問題を解決するには、その本質をきちんと探ることが重要」。
では、一体どうすれば本質を見極めることができるのか。
著者は本書のなかで、経済学偏重の議論を戒め、大局観を養うために、歴史学、心理学、哲学を学ぶことの意義を説いています。
考え方を学ぶ哲学、人間が繰り返してきたことの本質を教えてくれる歴史学、そして人間が陥りやすい思考の罠を教えてくれる心理学。
これらを学べば、誰でも起きていることの本質を理解し、未来を予測するための考え方が身につく、というわけです。
ビジネス書、自己啓発書が好きな人の多くは、すべてが努力で何とかなると思ってしまいがちですが、成果を出したければ、「構造」に目を向けるのが効果的です。
何かが動いたときに、それに伴って生じる一連の出来事を予測できるか。
これができれば、企業も個人も、大きな成果を上げることが可能になるはずです。
『経済予測脳で人生が変わる!』とは随分大げさなタイトルですが、それでも、読み応えがあることに間違いはありません。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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貧困率が拡大したのは、労働市場の二極化と無関係ではありません。
OECDの「対日経済審査報告書 2008年版」によれば、日本の非正規労働者の割合は1994年の20%から2007年には34%に上昇しました
「努力すれば報われる=努力を怠る者は敗れ去る」
膨らみすぎた泡(バブル)は、いずれ弾けるのが自然の成り行き
大幅利下げの結果、米国には大量の資金があふれ返りました。その資金が「住宅バブル」「金融バブル」という新たなふたつのバブルを生み出した
目の前に起こっている問題を解決するには、その本質をきちんと探ることが重要
金融工学はリスクを完全に排除できない
現代の消費者の欲望や感情を想定していない「需要と供給」の考え方では、変化に対応しきれなくなっている
歴史を学んだことによって得られた、もっとも大きな収穫は、「人間は、同じ過ちを何度も繰り返す生き物である」という真実にたどり着いたことでした。人間の歴史は、「繁栄」と「衰退」、「拡大」と「縮小」、「膨張」と「収縮」の繰り返しです
ローマ帝国が領土を拡大できなくなってから衰退したのと同じように、労働力が安価な国を追い求めるフロンティア開拓式の資本主義は、いずれ限界にぶつかります。実際に、中国では、急激な経済成長によって沿岸部では人件費が高騰しており、価格を武器に輸出を拡大することが難しくなりつつあります
考えるためにはその基となる知識が必要です。何のデータも与えずにパソコンを動かそうとしても、動かないのと同じことです
歴史の事実をとらえるためには、史料と史料との関係を結ぶ推理・推察がどうしても必要
そもそも正史や古文書は、時の為政者によって都合のいいように書き換えられやすいもの
株価は上昇するときよりも、暴落するときのほうが、スピードが速い
節約は、1人ひとりの個人にとっては合理的な行動でも、経済全体から見れば非合理的な選択
人間は、利益が出る場合にリスク回避的な行動を好み、損失が出る場合にリスク指向的な行動を好む傾向を持っている
効率的に哲学的な思考力を手に入れたいと考えるのなら、構造主義とポスト構造主義、ポストモダニズムの3つの思想を学んでみる
情報を収集したり分析したりする際は、他人の主観に影響されることに注意するだけでなく、自分自身の主観や先入観もできるだけ排除することが求められます
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『経済予測脳で人生が変わる!』ダイヤモンド社 中原圭介・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478012059
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◆目次◆
プロローグ
第1章 経済学だけでは経済予測はできない
第2章 わたしが「経済予測脳」を身につけるまで
第3章 歴史学編 歴史から学んで未来を予測する
第4章 心理学編 人間の欲望を理解して正しい判断を下す
第5章 哲学編 哲学を使って物事の本質を見抜く
第6章 新聞を「経済予測」に活用する技術
第7章 世界経済を変えるふたつの潮流を予測する
エピローグ これからの厳しい時代を、軽快に生きて行くために
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