2010年2月14日

『世界一わかりやすい会計の授業』林總・著 vol.2036

【『餃子屋とフレンチ』以来の傑作】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806136158

本日の一冊は、40万部ベストセラー『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』シリーズの著者、林總さんが、経営者向けの管理会計の基本をまとめた一冊。

※参考:『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447847088X/

会計の歴史に始まり、現行の会計制度、財務三表の見方、という流れは、類書とまったく同じですが、背景にあるビジネスの理解、という点で、他の書き手とは一線を画しています。

なぜIFRS(国際財務報告基準)が生まれてきたのか、なぜ利益を過大評価してはならないのか、なぜレバレッジを効かせた経営が危ないのか、経営者の目線から論じられている点が秀逸です。

また、経営者が最低限知っておくべき損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の知識、CVP分析が詳しく述べられており、中小企業経営者にとっては、これ以上ない入門書です。

終盤の方で提案している、時間を考慮した経営、高速で現金を回転させるボジョレーヌーヴォー型経営は、これからの経営のヒントとしても、役立つに違いありません。

どんぶり経営を脱したい中小企業の経営者に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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答えは「会計の外」にありました。つまり、それまで腑に落ちなかったのは、会計理論の後ろ側にある「ビジネス」を理解していなかったからでした。会計はビジネスの実態を映し出す鏡である

お金を預かる人には、その収支の顛末を関係者に説明する責任がある

最近は、上場企業は半年どころか3カ月に一度の報告が義務づけられています。報告の頻度が増せば増すほど、株主は経営者により早く成果を上げることを期待するようになります

本来、ビジネスサイクルと会計期間とは関係がありません

パソコン、家電製品、洋服などは製品化するまでに1年以上もかかるのに、製品が売れる期間はせいぜい3カ月です。つまり、努力と成果のタイミングが大きくずれてしまう

努力(費用)だけしても、結果(利益)が出るとは限りません

大切なのは、「手直し」「ミーティング」「掃除」「手待ち」などの「非付加価値活動」をなくすことです。そのためには、どれだけの時間、どれだけの費用を「非付加価値活動」に使っているかを可視化する必要があります

ブランド価値に限らず、日本の先端企業が持つ目に見えない企業価値、たとえば従業員の能力、会社が保有する知的財産、世間での評判、立地条件などは貸借対照表には計上されません

世界中のどこでも通用する決算書にすれば、手間もかからず、資金調達はずっと楽になります。こうした要求から統一的会計ルールである国際財務報告基準(IFRS)が生まれました

回収された現金と投入した現金との差が「儲け」です。現金は現金製造機を何度も循環することで増え続けます

「在庫+売掛金?買掛金」をできる限り小さくして、商売に必要な運転資金を少なくすることが肝心

営業CFから投資CFを差し引いた金額を「フリーキャッシュフロー(FCF)」といいます。これは商売で増やした現金から、投資に使った残りの現金のことで、「自由に使えるお金」という意味です。銀行に頼らないキャッシュフロー経営を目指すには、FCFがプラスであることが大原則

本当に必要な経営情報は、会社のあちらこちらに分散されていて、意識して情報を集めない限り、社長の手元までは上がってきません

高品質の製品は、高度に訓練された従業員によってつくり出されます。つまり、いつでも削減可能な非正規社員でもつくることができる製品は、高付加価値製品ではない

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『世界一わかりやすい会計の授業』中経出版 林總・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806136158
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◆目次◆
プロローグ なぜ会計を勉強しても身につかないのか?
第1章 会計にダマされるな
第2章 決算書はレントゲン写真と心得よ
第3章 利益を追うな、現金を追え
第4章 司令塔に情報を集めよ
第5章 CVP分析でムダを省け
第6章 時間がビジネスを制する

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