【ウォルマート:世界最大企業の成功哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785503505
年商3745億ドル(約33兆7000億円=1ドル100円換算)、従業員200万人、世界に7262店。
小売業のみならず、製造を含む全業種で世界最大の企業となったウォルマート。
本日ご紹介する一冊は、このウォルマートの成功の秘訣を、流通戦略、マーチャンダイジング戦略に詳しいコンサルタントの吉田繁治さんがまとめたものです。
創業者サム・ウォルトンの思想から、ウォルマートに勝利をもたらした成功の方程式、バイイングおよび販売のポリシーまで、じつに細かく分析しており、サム・ウォルトン本人が書いた自伝『私のウォルマート商法』と併せて読みたい内容です。
※参考:『私のウォルマート商法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/406256677X/
ただ、いかんせん残念なのは、編集が雑で、いたるところに誤字・脱字が目立つこと。
また、文体も統一されていない箇所が目立ち、せっかくの価値が失われてしまっています。
ただ、それでも本書に掲載された100の原則は、読んでおくべきもの。
広告を出した日には警官の出動を要請しなければならないくらい客が集まったというマイケル・カレンの手法、強調する商品を1品大量で積み上げて陳列するサム・ウォルトンの手法など、小売業が積み上げてきたノウハウの数々は、必ずや他の業種にも役立つことでしょう。
経営者、マーケター必読の一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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決めた原則や価値観に添わない判断と行動は、変えねばならない。時には辞職までを促す。この面で、サム・ウォルトンは厳格でした
本部コストは商品部バイヤーの仕入れと物流費を含んで総売上げの2%、店舗のコスト(一般管理販売費)は、売上げの15%を基準としました
実行は、「サンダウン・ルール(日没までに完了させる原則)」で行う
どこにでもいる普通の人々に、機会と激励と方法を与え、ベストへむかうやる気をひき起こすことができれば、可能なことに限界はない。これは経営と仕事において絶対的なことだ
未来を悲観的に見ている人が増えたため、地価が下がった。そのため、以前の数分の1の安い地価と低い資本コストで、事業をはじめることができます
サム・ウォルトンは事あるごとに、「世間や競合店の逆の流れにむかって進め」と言っていました
年収2万ドルの世帯に4万ドルの生活水準を提供すること、サム・ウォルトンは、まずはこれをウォルマートのビジネスでの使命、ま
たはミッションと定めます
利益の本質は、顧客からの預かり金です
経営では、言葉はおろそかにはできません。言葉と数字だけが、未来を描くことができるからです。信用とは、言葉を守ること、言ったことにコミットすること、つまり責任をもつことです
顧客の名前を覚えることは、小売業に限らず、あらゆるビジネスや人間関係で顧客との長期的な関係を結ぶための原点
「交差比率=粗利益率×在庫回転率」この交差比率を、「粗利益率を半分に下げても、売上げを3倍にして在庫回転率を3倍にすれば、粗利益高は1・5倍になる」という顧客の購買原因として理解する人は少ない
◆小売業の成功の鉄則
1.店舗経費を、他より低く、最低に抑える
2.値入れ率を最低幅にし、ライバル店より20%以上安い価格の商
品を増やす
3.強調する商品を、1品大量で積み上げて陳列する
小商圏の商売こそ、ビッグビジネスになる
お客様を大切にするのなら、社員も大切にしなければならない
社員の中からヒーローを見つけ、全員の前で、山のように誉め讃える
細部に神が宿る。だから小さく考える
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『ザ・プリンシプル』商業界 吉田繁治・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785503505
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◆目次◆
序 章 だれにもできなかったことを成し遂げた物語り
第一章 成功への焦がれる情熱と未来への信念、そして方法
第二章 とんでもなく高い目標の達成も、足許の方法から
第三章 小さな商圏に、大きなビジネスの機会を見いだした
第四章 人材、情報システム、マネジメントスタイルで取ったこと
第五章 顧客満足とは、潜在的なニーズを、新しい方法をつくり、満たすこと
第六章 流通システム、情報システムへの投資
第七章 ビジネスは、細部まで小さく考える
第八章 結語 10の成功法則
巻末資料 ウォルマートの60年の技術と組織と店舗発展
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