【細野真宏さん初の新書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594058736
本日の一冊は、著書の累計が650万部を突破したというカリスマ講師、細野真宏さんが、「アメリカ発の世界不況の仕組み」と「年金問題」を論じた一冊。
まだ著者の本を読んだことのない方は、ぜひ一度読むことをおすすめしますが、細野さんの本はいずれも簡単かつ本質を突いており、論理思考のいいトレーニングになります。
たとえば、「原油価格が上がる」と、「卵の値段も上がる」という話があったとすると、著者の本では、このように解説されます。
原油価格が上がる
↓
新しい燃料として、トウモロコシの人気が高まる
↓
ニワトリのエサとして使われているトウモロコシの値段も上がる
↓
えさ代が上がったぶん、卵の値段も上がる
あくまで論理学的に、緻密に議論を進めつつも、決して小難しくならない。この技術はもはや芸術的です。
本書では、この論理思考を使って、アメリカ発の世界不況の仕組みと、なぜ納付率が上がっても年金に影響がないのか、その仕組みを解説しています。
「『国民年金』の保険料を払わないと、逆に税金の『払い損』になってしまう」という話は、年金を納めていない若者にとっては、驚くべき事実ではないでしょうか。
もちろん、解説されている話のなかには、あくまで論理思考だけで考えたケースが含まれており、人為的な要素が排除されているものもあります。
それでも本書を読むことで、物事の本質をとらえる力、現在の社会問題を読み解く視点は手に入ると思います。
群衆心理に惑わされる、愚かな人間にならないためにも、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「円高が進むと日本の輸出企業の業績が悪くなる」と当たり前のように報じられていますが、これは論理(考える道筋)が飛んでいます
世の中の出来事にはすべて「原因」があって「結果」がある(中略)つまり、この「原因」と「結果」の因果関係を考える習慣を身に付けるようにすればいい
◆なんで「原油価格が上がる」と、「卵の値段も上がる」のか?
原油価格が上がる
↓
新しい燃料として、トウモロコシの人気が高まる
↓
ニワトリのエサとして使われているトウモロコシの値段も上がる
↓
えさ代が上がったぶん、卵の値段も上がる
数学だろうと経済だろうと、「A→B」「B→C」「よって、A→Cがいえる」という仕組みはまったく同じ
「数学の問題を解く」ということは、「直感力」を働かせ「仮説」を出して、それを論理的思考により「検証」していき、最終的に「答え」を導き出すことなのです
日本においては、「すでに財政破綻している」と思っているのに、「安心な商品」として国債を買っている人が少なくない
「宝くじ」において「当せんしやすい販売所」というのは、確率的に考えて、絶対にありえません!
「新規公開株バブル」も「宝くじの行列」も「マルチ商法の詐欺」も、どれも本質は同じ(=群集心理)
◆1929年のような「世界恐慌になるのでは?」
当時と今とでは、世界的な「社会環境」と「経済危機への対応能力」に圧倒的な違いがある
アメリカ経済は、株式市場の「ITバブル崩壊」などによる低迷を「住宅投資ブームの発生」で乗り切ったとも言える
これから住宅を作る「住宅着工件数」や、この先、住宅を作ろうとしている「許可件数」も大きく落ち込んでいる(アメリカ)
あくまで「先読み」は「方向性」に関してで、「時期」の話ではない
実は「国民年金」については、2009年度から若者の負担を減らすため、高齢者に支払われる年金の半分は「税金」から支払うようになる
「国民年金」の保険料を払わないと、逆に税金の「払い損」になってしまう
劇的に「納付率」がアップしたとしても、年金財政はほとんど変わらない
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『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?』扶桑社 細野真宏・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594058736
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◆目次◆
前書き
第1章 学力や思考力は日常の会話方法で飛躍的にアップする!
第2章 なぜ人は「宝くじの行列」に並んでしまうのか?
第3章 なぜアメリカの住宅ローン問題で私たちの給料まで下がるのか?
第4章 「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?
あとがき
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