2007年11月22日

『決定力を鍛える』

【チェス世界王者の勝負哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140812621

本日の一冊は、22歳でチェスの世界チャンピオンになり、15年にわたってタイトルを保持、あのIBMのスーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」と対戦したことでも知られる史上最強の棋士、ガルリ・カスパロフによる一冊です。

内容はおおむね、著者の勝負哲学に関するものですが、サブタイトルに「チェス世界王者に学ぶ生き方の秘訣」とあるように、人生全般、あるいはビジネスについても触れています。

現役を引退してからは、ロシア大統領選の候補者に選ばれたり、企
業向けの講演をしたりなど、かなり幅広く活躍しているようで、本
書の内容も、汎用性のあるものに仕上がっています。

勝負を左右する人間心理の話、確率の話、戦略・戦術の話、苦手を
克服する必要性…。勝つために必要な要素はほぼすべて網羅されて
おり、読み応えがあると同時に、じつに示唆に富んだ内容です。

本書で書かれていることは、単に勝つ・負けるといった問題を通り
越して、いかに生きるか、というところにまで通じているのではな
いでしょうか。

約400ページに及ぶボリュームの本ですが、刺激的でスピード感が
あるため、一気に読めてしまいました。

勝負哲学モノが好きな人には、特におすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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どんな速さであれ、大きな成功を収めている棋士は、読みの根拠を
あくまで戦略プランに置く

人は敵に難題を突きつけられると、敵の発想を論破したい、抵抗し
たい、挑戦に応じたいという強い誘惑に駆られる。もちろん、まさ
しくそれが敵のねらいであり、だからこそ挑発に乗ってはならない

世界チャンピオンになるには、必要に応じて異なるスタイルでプレ
ーできなければならない(中略)成功には適応能力が不可欠だ

先日、二十五人ほどが集まるディナーパーティに出席したときのこ
とだ。会話の途中でゲストのなかに同じ誕生日の人が二組いるとわ
かり、当人たちはこのめずらしい偶然の一致に喜んだ。だが、そう
したことはどのくらいの確率で起きるのか?

デ・フロートはプレーヤーたちにゲーム中の一組の局面を記憶させ、
それをどこまで再現できるか記録した。結果は予想どおりで、強い
プレーヤーほど数値が高かった

長所を活用したほうがいいのはたしかだが、偏りすぎれば伸びしろ
は限られる。全体を改善するもっとも手っ取り早い方法は、自分の
弱点に取り組むことだ

私たちは特定の資産に対し、その客観的な価値とは無関係に個人的
な愛着をいだくことが多い。こうした感傷的な愛着はかならずしも
有害ではないが、評価能力を著しくゆがめることがある

時間というものは、単にマテリアルをふやすためではなく、マテリ
アルを改善するために利用すべきなのだ

相手をチェックメイトするためならマテリアルをいくらでも差し出
していいし、逆に自分のキングの終焉を回避するためにいくらでも
差し出してかまわない

多くの人は、自分が精通している分野への過信から失敗する

競争上の優位を最大化するのは意外性である(中略)未知のものが
あたえる恐怖自体が強力な武器となる

オープニングの目的は、ただその段階を切り抜けることではない。
望みどおりのタイプのミドルゲームにもっていけるよう準備を整え
ることだ

人は競争するから繁栄するのである

小さな優位をリスクにさらさなければ、大きな優位は得られない

得意な分野がひとつかふたつしかないのに一流の仲間入りをした棋
士のリストは、驚くほど長い

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『決定力を鍛える』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140812621
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┃▼目次▼
┃ 
┃ はじめに
┃ 1.教訓
┃ 2.人生がチェスを模倣する
┃ 3.戦略
┃ 4.戦略と戦術
┃ 5.読み
┃ 6.才能
┃ 7.準備
┃ 8.マテリアル、時間、質
┃ 9.交換と不均衡 
┃ 10.革新
┃ 11.ゲームの段階
┃ 12.意思決定プロセス
┃ 13.アタッカーの強み
┃ 14.成功を疑う
┃ 15.心のゲーム
┃ 16.男、女、コンピュータ
┃ 17.全体像
┃ 18.直観
┃ 19.危機的状況
┃ エピローグ
┃ もうひとつのエピローグ
┃ 訳者あとがき
┃ 巻末 用語解説
┃ 
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