2007年11月30日

『メディアと広報』

【取材する側とされる側】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/488335184X

本日の一冊は、読売新聞で20年間記者を務め、その後ヴェルディ川崎、プランタン銀座の広報を歴任したという異色の経歴の持ち主が、取材する側とされる側、両方の立場からPRを論じた一冊。

新聞、テレビ、雑誌の露出件数が年に3千件を超すというプランタン銀座の広報の裏側や、記者として体験したまずい企業広報の例、危機対応の際のポイントなど、広報の実際を知るのに有効な具体例がいくつも載っています。

ヴェルディ川崎時代、フランスワールドカップに出場できなかった
カズを成田空港で出迎え、記者会見の司会をした話や、山一證券廃
業の際の幻のスクープなど、エピソードも興味深く読むことができます。

網羅的な本ではないので、広報マニュアルを望む人には不適ですが、
新聞記者の考え方や広報に求められる心構えなど、PRにおいても
っとも大切な要素が含まれた一冊です。

企業のPR担当はもちろん、経営者、記者にもぜひ読んでいただき
たい一冊です。

やはり何事も相手の立場に立ってみると、本質が見えてくるものですね。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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スポーツ新聞は新聞というより、テレビカメラの取材と同じだと心がける

お菓子売り場を紹介する番組の企画は、テレビ局の社員や番組を請
け負ったプロダクションがするが、どれを選ぶかのデータは、専門
の調査会社があるという。いつも売り場をうろうろし、面白い食材、
変わったお菓子があるか、調べているのだという

リークとわかった特ダネでは、記者はまったく評価されない。相手
はその会社に対して、リークするのであって、記者個人ではないからだ

一社に対して、「リーク」(売り込み)が成功しても、それ以外の
ライバル関係にある媒体には、それ以後「売り込みで媒体を選んで
いる会社」と先入観で見られることになる

こうしたネタもとはそれぞれの担当局面で存在し、すでにふたケタ
になっている。最初は取材や情報交換が目的でも、やがて、会って
話すだけが目的になることが長続きの理由である

人間誰しも立場で会うのだが、立場を超えたところに、本当の付き
合いが始まる

新製品だけではなく、自社の経営方針の変遷や業界の見通しなどを
話していれば、今度はどんな話が出るか、と期待して記者はやって
くる。取材するネタがないと思ってもだ。そのためには業界展望や
他業界も含め、日本経済全体や世界経済まで、自社から見た分析や
見通しをいつも勉強するべきであろう

02年7月、プランタン銀座取締役広報担当として着任して驚いた。
女性広報が、テレビや新聞の担当者から電話を受ける。取材申し込
みと確認すると、電話を保留したまま、すぐ内線で売り場に連絡。
空いている日を見つけ、取材日を決めて保留を解除、相手側に取材
日を伝える。取材側は、一本の電話で取材が決定できるのだ。どん
なことでも、まずプランタン銀座に電話したくなる。なるほど、新
聞、テレビ、雑誌の露出件数が年に3000件の秘密はこれかと感心した

広報が日常的に巡回しようとしても、どうしても売り込もうという
ニュースネタが多いところに集中する。しかし、思わぬ不祥事や事
件事故などは、目立たないところが発生元になる

夜遅く取材に訪れた記者を追い返すのは、広報チャンスを失うとと
もに、感情的には反感さえ持たれる

会社が大事か、社長が大事か 勇気ある広報は会社をとる

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『メディアと広報』
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 第一章 メディアによってこんなに違う 取材のしかた
┃ 第二章 誰も教えてくれない 広報パーソンの心得
┃ 第三章 インターネット時代の広報の仕事
┃ 第四章 次は我が身! 危機管理はできてますか
┃ 第五章 トップ広報と夜回り取材
┃ 第六章 まだまだあります 広報の仕事
┃ 第七章 大学・役所・メディアの広報はちょっと特殊
┃ おわりに
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