2007年6月30日

『マネーロンダリング』

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413041542

本日の一冊は、地下経済や新興市場の事情に詳しい異色のエコノミスト、門倉貴史さんによる、マネーロンダリングの解説書。

ライブドア事件後、投資事業組合(投資ファンド)に関する本がいくつか出ましたが、大半は内容が硬く、一般の方が読むにはちょっと難しいものが多かったと記憶しています。

その点本書は、「ヤミ経済を暴く」サスペンス的な視点からマネーロンダリングのカラクリを説いており、じつに刺激的な内容です。

カジノやタックスヘイブン、投資ファンド、ネットオークションがマネーロンダリングの温床となっている、という指摘や、実際に使われている手法の話など、知るだけで政治や経済の見方が変わる、興味深い話が満載です。

本書によると、日本におけるマネーロンダリングの規模は年間1兆円程度(IMFの推計)とのことですが、それらのお金のほとんどは、本書で紹介されている「場所」に流れているわけです。

商売的な視点から見ても、なぜカジノにお金が集まるのかがわかる、ちょっと「さおだけ屋」的な内容でした。

この方の本は過去にも何冊か読んでいますが、やっぱりアングラ(地下経済)モノがおもしろいですね。

読者のみなさんも、自らの見聞を広める意味で、読んでみてはいかがでしょうか。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いつまでもキャッシュで持ち続けることは犯罪者にとっては非常に
危険(中略)キャッシュだと一枚一枚のお札につけられた番号によ
って、マネーの出所がバレてしまう恐れもある

最も単純なマネーロンダリングの手口は、違法な経済活動によって
獲得した資金を換金しやすい高価な物品に換えてしまうというもの

◆ある銀行強盗の手口
都内でこっそり営業をしている違法カジノに足を運び、多額の現金
を一度チップに換えて、少し遊んだら、また現金に戻すという手を
使ったのである。こうすれば、連番のお札が違法カジノに吸収され、
自分が持つお金はまっさらなお札に早変わりするというわけだ

典型的なマネーロンダリングの手口をみると、闇勢力は、まず発行
株式数が少なく、かつ流動株式数が少ない(安定株主が多い)銘柄
を選定する。次に、出所のはっきりした合法的な資金を種玉として、
できるだけ安値のうちにその銘柄を大量購入する。その後、非合法
な手段で稼ぎ出したアングラ・マネーをその銘柄にどんどんつぎ込
み、買いあがっていく

◆闇勢力が海外でマネーロンダリングをする際の典型的な手口
・海外のタックス・ヘイブンに赴き、キャッシュあるいは換金可能
 な金融商品を直接現地に持ち込む
・キャッシュを現地の海外口座に入金

直接持ち込まなくても、タックス・ヘイブンなどに架空のダミー会
社を登記し、その会社とあたかも商取引をしているように見せかけ
て、脱税資金などを送金することもある。タイやフィリピン、イン
ドネシアなど、東南アジア諸国に会社を設立したことにして、架空
の取引をしているように見せかける中小企業などは少なくないと聞く

世界的に有名なタックス・ヘイブンとしては、たとえば、カリブ海
のケイマン諸島や、バハマ、バミューダ諸島、スイスなどが挙げられる

国内で不法就労している外国人が稼ぎ出した所得や金融資産の多く
は、いわゆる「地下銀行」を通じて海外各国へ送金されている

企業の設立が容易になり、経営の自由度が増すということは、裏を
返せばそれだけ暴力団などの闇勢力の参入余地が大きくなることを意味する

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『マネーロンダリング』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413041542
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┃▼目次▼
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┃ 序章 最新マネーロンダリング事件
┃ 第1章 汚れたお金が、なぜキレイになるのか?
┃ 第2章 マネーロンダリングは「この場所」で行われる
┃ 第3章 諸外国のマネーロンダリング最前線
┃ 第4章 政・官・財・ヤミ勢力――ツワモノたちの錬金術
┃ 第5章 日本経済の裏でうごめくアングラ・マネー
┃ 終章 まっとうに働いた人が報われる社会にするには
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