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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502706
本日の一冊は、ベストセラー『なぜ高くても買ってしまうのか』の著者が、「一人二極化消費」の真実に迫った、注目の一冊。
※参考:『なぜ高くても買ってしまうのか』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478502250/
既に多くの本で述べられていることではありますが、今は、「世界中で消費者市場が二極化し、両極の価格帯に支出が集中」しています。
それも、単に金持ちが高いものを買い、低所得者が安いものを買う、ということではなく、現実には、「大金持ちがコストコの売り場をうろつき、ほとんど稼ぎのないティーンエイジャーがティファニーを足繁く訪れる」消費スタイルが広まっています。
では、この二極化消費で企業が押さえておかなければならないポイントとは何か。そんなマーケティングのヒントを述べたのが本書です。
本書を読むと、「ワンランク上」の消費よりも、「ワンランク下」の消費の方がマーケットが大きいこと、また、ワンランク下の消費は、大都市から遠く離れた農村地帯や郊外で始まるということなど、二極化消費の実態が、よくわかります。
とくに、現在、自由裁量支出(必要不可欠でない支出もしくは必要以上に高価なものへの支出全体)の七五%を占めているというミドルクラスの消費実態に関するレポートは、今後のビジネスを考える上で、肝となる部分でしょう。
本書には、実際にこのミドルクラスのニーズを捉え、成功した企業の事例が数多く出てきます。日本ではあまり紹介されないドイツの小売業、アルディなど、興味深いケーススタディがいくつか見られます。
紹介されている個人の事例は若干退屈ではありますが、どんな人がどんなことに重きを置いて消費しているのか、商売人であれば知っておいて損はないでしょう。
主に小売業に携わる人に読んで欲しい、そんな一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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アメリカのミドルクラスの消費者一万二〇〇〇人を調査した結果、
回答者の九三%が「支出を減らし節約に努めているカテゴリーが一
つはある」としている。また、五つ以上のカテゴリーでワンランク
下の消費を行っている人も八四%いた
ワンランク下で勝負する小売り企業の株式時価総額の伸びは、ワン
ランク上で勝負する小売り企業の一〇倍以上に達している
ワンランク下の消費は、大都市から遠く離れた農村地帯や郊外で始
まり、その後、徐々に沿海地域や都市部に波及していく場合が多い
ワンランク下を狙うときのモットーは「BLCR」である。Bは基
本(Basic)、LCは低価格(Low Cost)、Rは信頼(Reliability)
ワンランク上を狙うときの心得は、キャロウェイ・ゴルフの創始者
イーリー・キャロウェイのスローガンがうまく言い表している。そ
れは「実証できる優越性と、満足感を与える違い」というものだ
アメリカのミドルクラスは、世帯年収が五万ドルから十五万ドルの
人々と定義される。これに当てはまるのは四八〇〇万世帯で、これ
らの世帯で自由裁量支出(必要不可欠でない支出もしくは必要以上
に高価なものへの支出全体)の七五%を占めている
ミドルクラス消費者は大きなストレスを感じていることが多い。私
たちの消費者調査では、回答者の過半数がストレスや疲労、孤独や
不安、不確かさ、自分は正当に評価されていないという思いを抱え
ていることがわかった
消費者が商品購入を検討する際の価値計算には、六つの要素が織り
込まれている。それは、価格、技術面の価値、性能面の価値、購入
のもたらす刺激、顧客接点の質、感情面の価値である
今や年収七万ドル以上の世帯のほぼ半数がダラー・ストアで買物を
している(二〇〇二年にはわずか九%だった)
イーベイ・ユーザーのほとんどは中間所得層で、日用品や必需品で
はなく宝探しをイーベイに求めている
優れたブランドであるためには、よいと確信できる商品が必要だ。
社内ではそうそう何度も生み出せないが、そういう商品を持つ人々
とパートナーを組むことはできる
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『なぜ安くしても売れないのか』
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■目次■
第1章 二極化する市場
第2章 ミドルクラス消費者の実像
第3章 欲しいモノを少しでも安く
第4章 宝物を探す楽しみ
第5章 価値計算ロジックが決め手
第6章 両極を制覇する
第7章 そして実行に移すとき
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