http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872902343
本日の一冊は、タイトル通り、アメリカの高校生が使っている経済学テキストの抄訳版です。
626ページにおよぶ大著から、アメリカ固有の制度に関する記述を割愛し、訳出したもので、マクロ経済学、ミクロ経済学双方をカバーしつつ、370ページとコンパクトにまとめられています。
訳者が述べているように、確かに記述はわかりやすく、経済学の基本を要領よく学ぶことができます。
商売やお金儲けにも役立つ視点で、難解な経済学の概念を解説しており、飽きずに読むことができるのも、アメリカのテキストならではでしょう。
恐れ入ったのは、日本ではファイナンスの授業を取らないとなかなか学べない、投資や金融商品の話が入っていること。
こんな内容を高校生で学んでいるというのだから、お金の知識に関しては、差がついて当然ですよね。
親が今すぐ読んで、子どもにも読ませたい、そんな一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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残念なことだが、この世に無料のものなどまずないと思ってよい。なぜなら、誰かが生産物に対する対価を支払わなければならないからだ
すべての社会が直面する根本的経済問題は希少性――人々が欲するものすべてを作り出すのに十分な資源を社会が持っていない状態――だ
あるものが価値を持つためには、希少性と効用が必要
企業は人的資本、すなわち、人間の技術、能力、健康、モチベーションを合わせたものに投資すると、生産性が向上する傾向がある
3つの要素を検討すると、需要の弾力性を推定することができる。それは、緊急性、代替物の入手可能性、購入に必要な金額だ
価格は経済で重要な役割を負っている。価格は市場の買い手と売り手に情報を伝えるシグナルとなる
◆完全競争の条件
1.買い手と売り手が多数存在すること
2.買い手と売り手が同一の商品を取引していること
3.買い手と売り手は各々独立して行動する
4.買い手と売り手は商品と価格について十分な情報を持っている
5.買い手も売り手も自由に事業へ参入し、事業を実行し、事業から撤退することができる
◆独占が生まれるパターン
1.自然独占:企業が単独で生産すると生産コストが最小になる場合―電気、ガス、水道、バスなど
2.地理的独占;規模が小さすぎて複数の薬局が営業するには小さすぎる街にある薬局
3.技術的独占:新製品や新たな生産方法を開発した人に与えられる特権
4.政府独占:政府が所有し運営
◆マネーサプライの増減
短期→金利、すなわち、信用の価格に影響する
長期→物価水準に影響を与える
◆5つの国民所得の尺度
・国民総生産(GNP):居住者が供給する労働力と資産で1年間に生産される最終財、サービス、構築物の総額
・国民純生産(NNP):間接事業税と補助金をマイナス
・国民所得(NI):個人に対する移転支出、個人受取利子をプラスし、内部留保、法人所得税、社会保障拠出金をマイナス
・個人所得(PI):租税等をマイナス
・個人可処分所得:消費部門
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『アメリカの高校生が学ぶ経済学』
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■目次■
はじめに 第1部 経済の基本概念
第1章 経済学とは何か
第2章 経済システムと意思決定
第2部 ミクロ経済学
第3章 需要
第4章 供給
第5章 価格と意思決定
第6章 競争、市場構造、政府の役割
第3部 マクロ経済学:制度
第7章 政府歳入
第8章 政府歳出
第9章 貨幣
第10章 連邦準備制度と金融政策
第11章 投資、市場、株式
第4部 マクロ経済学:政策
第12章 国内総生産
第13章 人口、経済成長、景気循環
第14章 失業、インフレーション、貧困
第15章 経済的安定の達成
第5部 国際経済学
第16章 国際貿易
第17章 発展途上国
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