2005年3月14日

『リーダーなら、人の心を変えなさい。』

http://tinyurl.com/4pac8

本日の一冊は、ハーバード大学教育学大学院教授の、ハワード・ガードナーによる、注目の最新刊です。

多くの人間にとって、もっとも興味深い領域である、「心」の問題に焦点を絞り、そのなかでも、心がいかにして変化するか、という問題を取り扱っています。

教育を専門とする著者が書いているということもあり、幼児期から大人になるまでの人間の心の変化が、事例とともに詳しく示されています。

では、さっそくそのポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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◆心の変化を促進ないし妨害する7つの要素
1.理性(理性的にどう考えられるか)
2.リサーチ(研究・調査による結果)
3.共鳴(できるかどうか)
4.表示の再叙述(くりかえし)
5.リソース/報酬
6.現実世界のできごと
7.抵抗(要素があるかないか)
※これらがすべて変化の方向に向かうと、心の変化がおきる

◆著者の主張
・知性は単一ではない
・知性とは、具体的なフォームをとる情報を、特定の方法で加工する生体心理的資質のこと
・人は、いつも同じように「利口」だったり「愚か」だったりするのではなく、状況によって重用されたり無視されたりする複数の異なる知性を持っている
・議論のさいに相手の持つ知性のできるだけ多くに訴えることができれば、その人の心を変えられる可能性は高くなり、変えられる心の数も増える
・知性は先験的な根拠や試験性能ではなく、ある時代ある文化の文脈のなかでの評価を根拠に定義される

◆人間の持つ知性の種類
1.言語知性
2.論理・数学知性
3.音楽知性
4.空間知性
5.身体・運動感覚の知性
6.ナチュラリストの知性

多様で大規模な集団に働きかけるリーダーは必ずストーリーを用い、もっと小規模で均質な集団や学校などのリーダーはセオリーを用いる

◆優れたリーダーが備えている3つの資質
1.知性(言語知性、対人知性、実存知性)
2.本能
3.誠実さ
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ビジネス寄りの邦題が必ずしもしっくりこない内容ではありますが、人間の知性や心について、偏見を取り除いてくれるという点で、リーダー必読の一冊と言えます。

というわけで、本日の一冊は、

『リーダーなら、人の心を変えなさい。』
http://tinyurl.com/4pac8

です。心の変化を説明する際のフレームワークや、氏を一躍有名にしたMI(マルチプル・インテリジェンス)の理論、そして各界のリーダーたちの事例には、とくに注目したいところです。

■目次■
第一章 心のなかみ
第二章 心のかたち
第三章 子ども時代のセオリーの力
第四章 多様な人々のリーダー
第五章 大学、企業のリーダー
第六章 間接的リーダー
第七章 公式な環境での心の変化
第八章 身近に起こる心の変化
第九章 自分自身の心の変化
第十章 エピローグ
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