本日の一冊は、日本中の中年男性から熱い支持を受けている、累計500万部のうんちくマンガ「BARレモンハート」の会計入門編です。
「BARレモンハート」のマスター、ライターの松ちゃん、いつも鋭い質問をする常連のメガネさん、そして公認会計士の奥山さんの話を読んでいるうちに、公認会計士の仕事や具体的な監査の方法、減損会計、株式公開の手順など、さまざまな知識が得られる、優れもののマンガです。
とくに、会計士が監査を行なう手順や、減損会計と時価評価の違いなどは、巧みな例を用いることで、疑問を氷解してくれます。
では、具体的にどんなことが学べるのか。さっそく見て行きましょう。
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本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■貸し渋りが起きるわけ
・銀行の自己資本比率8%の維持が難しい
自己資本比率=自己資本/総資産
資本金を増やすか、総資産(貸しているお金)を減らすか→貸し渋り
■監査が義務づけられる会社
上場会社、大会社、学校法人、労働組合、政治政党、独立行政法人
※それぞれの定義は省略します
■公認会計士は誰の味方か?
会計士の監査報酬→株主の取り分の中から払われる
■監査っていったいなにをするのか
・経営者へのリスク・アプローチ(質問してリスクを探る)
・在庫管理や売掛金管理の調査
※小規模なら実証手続(決算書の内容が実際に合っているか確認)
・建物、備品、請求書、領収書などの調査
※大企業の場合、試査をして調べる
■公認会計士による保証レベルの違い
・3か月ごとの財務諸表は監査しない ※レビューと監査は違う
・「監査」はもっとも保証レベルが高い
■減損会計と時価評価の違い
・減損会計
工場とか店舗とか比較的長い間それを使って稼ぐ資産についての話
・時価評価
「金融商品」つまり株式や債券のように売買する取引市場があってすぐにお金に換えられるものについて行う
■減損会計や繰延税金資産の問題
→不確定な将来を会計に織り込むようになった
■株式の公開手順
1.事業計画を作って、証券会社に相談
2.証券会社から監査法人を紹介
3.予備調査
4.公開準備へ ※その後監査等を経て公開
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まとめて書いたので若干固いですが、実際のマンガは、登場人物の会話で進められており、専門用語も極力使わずにそれぞれのトピックを説明しています。
というわけで、本日の一冊は、
『BAR レモンハート』
http://tinyurl.com/5yjvz
です。マンガとはいえ、内容は詳しく、読み応えがあります。「自己資本比率や」「繰延税金資産」「減損会計」などの用語がよくわからない、という人には、疑問解消にもってこいの一冊です。
目次
第一話 貸し渋りはなぜ起こるのか?
第二話 繰延税金資産のなぞ
第三話 公認会計士ってなんだろね?
第四話 公認会計士は誰の味方?
第五話 レモン・ハートを監査する!
第六話 太鼓判にもレベルがある!?
第七話 減損会計ってなあに?
第八話 減損会計をすると会社はつぶれちゃう?
第九話 ベンチャー企業と公認会計士
第十話 株式公開ってどうやってするの?
第十一話 ゴーイング・コンサーンと倒産と
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