本日の一冊は、仕事上で、言いにくいことを伝える必要性が生じたらどうするか、という心構えと方法論を説いた一冊です。
某B社のTさんの友人が担当した本らしく、ご紹介いただいたのですが、正直、土井は人間関係でくよくよするタイプではないので、最初は興味が持てず、本は「ビジネス・ブック・マラソン」の控え室(本棚)で眠っていました。
ところが、ふと気がついて序文を見ると、なんとあの『7つの習慣』のスティーブン・R・コヴィー氏が序文を書いているではありませんか。
参考:『7つの習慣』
http://tinyurl.com/6t7sc
これは一味違う本かもしれない、と思ってめくってみたところ、どうやら思いっきりビジネスパーソン向けの本でした。
ちょっと、この装丁じゃコンセプトがわかりにくかったですね。でも、気を取り直して、さっそく赤ペンチェックしてみましょう。
テーマは、「いかにして緊迫した会話に対処し、仕事で成果をあげるか」です。
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本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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固い絆で結ばれた人間関係を築ける人、しっかりしたキャリアを持つ人、強い組織やコミュニティには、共通した特徴がある。それは、大きな利害関係や感情の高ぶり、対立した意見があるときでも、率直に話すことができる能力を備えていることだ
優れた組織では、新しい経営方針が打ち出されたり、リーダーが問題を正すのを待つまでもなく、関係する当事者同士が問題に向き合い、率直に話をする
リスクが大きく、論争になっていたり感情的になったりしている場面で、適切に会話を進め、うまくまとめあげるのに必要なスキルとは何か。それはすべての関連情報を(関係者全員から)上手に引き出すことができる能力である
ダイアローグに長けた人は、誰もが自由に自分の思いを打ち明けることで、バラバラな個々人の思いをひとつの思いのプールに蓄積し、共有できるように努力する
ダイアローグ・スキル向上のポイント
・自分が本当に欲しいものは何かを見極め、理解すること
・愚かな選択(二者択一)をしないということ
問題が深刻化する前に見つけるべきもの
1.会話が緊迫してきた状況
2.人々の安心感が揺らいでいる状況(沈黙や暴力)
3.自分自身のストレス時のスタイル
優れた会話のスキルを備えている人々が注目するのは、安心という要素だ。(中略)安心しているとき、人はどんなことでも話すことができる。しかし、安心のないところでは思いが自由に行き交うことはなく、ダイアローグの成功はありえないからだ
健全なダイアローグに戻る方法
・内容から離れる。安心させる。内容に戻る
・共通の目的を探す
・相互の敬意
他人の行動と自分の感情の間の中間ステップは存在する。だから同じ状況に直面しても、十人十色の感じ方が生まれるのだ(中略)自分が作ったストーリーを再考し、新たなストーリーを作れば、感情のコントロールが可能になる
反発を避ける五つのスキル
・事実を共有する
・自分のストーリーを話す
・相手のプロセスを尋ねる
・仮説として話す
・チャレンジを奨める
四つのパワー・リスニング・スキル
・質問する
・ミラーリングする
・言い換える
・呼び水を注ぐ
意思決定の四つの方法=命令・相談・多数決・コンセンサス
意思決定法を選ぶ際の四つの重要な質問
1.関心を持つのは誰か
2.知っているのは誰か
3.誰の賛成が必要か
4.何名の参加が適切か
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25年間に2万人、数百の組織を対象にした研究成果、というだけあって、書き切れないほどの対話ノウハウが詰め込まれています。装丁とは裏腹に、非常に論理的な内容でした。
というわけで、本日の一冊は、
『言いにくいことを上手に伝えるスマート対話術』
http://tinyurl.com/4tjcz
です。上司や部下、恋人との対話から、会議での話し合いまで、幅広く使えるテクニックが満載です。
目次
難しい話題を上手に扱う方法
会話の達人になる―ダイアローグの驚くべき力
自分から始める―欲しいものに集中する
状況を見る―安心感の揺らぎに気づく
安心させる―何でも話せるようにする
ストーリーを作る―感情に流されずにダイアローグを続ける
プロセスを告げる―摩擦を起こさずに説得する
プロセスを引き出す―激怒する相手、だんまりを決め込む相手から聞き出す
行動につなぐ―緊迫した会話を行動と結果に結びつける
すべてをまとめる―準備と学習のツール
難しいケースの実践的アドバイス
人生を変える―着想を習慣化する
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