本日の一冊は、久々に部下を持つ仕事について、「ああ、人を動かすのって面倒くせえなあ~」と思っている私が、思わず手にとってしまった一冊です。
著者は、横浜国立大学保健管理センター助教授の、堀之内高久さん。「ワクワク系マーケティング」で知られる、小阪裕司さんのメンターとしても有名な方です。
内容は、タイトル通り。部下を管理するというよりは、うまくコミュニケーションするための考え方を説いた一冊です。
さっそく、内容を見ていきましょう。
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本日の赤ペンチェック ※本文よりサンプルを抜粋
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円滑な人間関係をつくり出すことこそが、ビジネスの土台
部下が、仕事の進め方で問題点に気づいた。改善策を模索しようとしている。こういう場合には、コーチングがおおいに役立ちます
上司は、部下が自発的に(問題点に)気づき、考え、(最善の方法で)実行できるような指示を出せばいいのです。ひとことでいえば、「気づきのある部下を育てる指示を心がけよう」ということです
「指示多きなかに無気力が生じる」
→心のなかで「結論から言うと」とつぶやけば、いやでも簡潔で具体的な指示になるはずです
居丈高な、質問の余地のない問答無用の指示は、自分で考えることをしない無気力な部下を生むだけです。その結果、上司がいないと部下は動けなくなる。これでは成果が上がるはずもありません
「なぜなんだ」という、原因を探し出す問いかけでは、問題の解決にならない(中略)問題の部下に対しては、「WHY」(なぜだ)ではなく、「WHAT」(何があったのか)と「HOW」(どのようにしたのか)で向き合う
まず事実を見つめる。事実を明らかにして、失敗の本質を部下に気づかせる。そして、部下みずからが解決しようという気になるようにサポートする。これがトラブルにあたっての上司の役割です
自分が人格として尊重されていないと感じれば、部下は遅かれ早かれ、指示や命令が小手先のものにすぎないと見抜いてしまう
怒ったり、怒鳴ったり、脅したりは、部下との信頼関係を築く上では、論外の行為です。怒る必要はありません
「怒る」とは、子供になってすることであり、逆に、「叱る」という行為は、部下の父親になったような気持ちで目を覚まさせる、という効果があります
上手な叱り方のコツ
1.叱っている自分を見つめる「もう一人の自分」を意識する
2.問題点だけを叱る
上司がまず自分を吟味する。部下をコマとしてではなく、かけがえのない戦力としてその存在を認める。そして尊重するというメッセージを日常的に発信する。こうすることが、部下を育てるための「王道」です
「ほめる」という行為は、その相手が無能であることが前提になっている
「ねぎらい」とは、部下を認めること、君の存在を尊重するよというメッセージ
(部下を)「いやなやつ」だと思うならば、いっぱい思えよ。思ってみようよ。そのうえで、相手とどう関わればいいか、知恵を出そうじゃないか、というのがポイント
私たちは、自分が育ちの中で押さえつけてきたもの(分身)と出くわしたとき、いやだと感じてしまう。一種の近親憎悪みたいなものです
よりよい職場環境づくりのために
・パフォーマンス機能
・メンテナンス機能
本来、集団から異化して自分の特長を発揮する人が、組織を発展させる。けれども、それが裏切り行為になるのならば、その人は浮いてしまいます。その会社に居たたまれなくなってしまう。大企業が「大企業病」になるのは、こういう異化する人をどんどん排除していくからなのです
「自分が言おうとする建前は、本当に会社全体のためになるものなのか」
「自分の本音とかけ離れすぎてはいないか」
つねに、こう自問してほしい
いまある問題を、「現在」だけのものとはとらえない。「未来」を見すえつつ、これからお話しするように解決のヒントを「過去」にも探る。こういう視点を身につけてほしい
部下には能力も意欲もある。ただ、それを発揮する方法を知らないだけなのだ。そして、これまでには必ず成功体験を持っている。そこを刺激すれば、きっと開花する
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著者が心理分野の専門家ということで、若干理論に触れた部分もあるのですが、専門家の本ならではの「意外な発見」はさほどなく、どちらかと言ったら自己啓発の色が強いように思います。
というわけで、本日の一冊は、
『どうしてあなたは部下とうまくいかないのか?』
http://tinyurl.com/5k2mb
です。疲れた経営者、マネジャーには、おすすめの一冊です。
目次
テクニックには限界があります――まえがきにかえて
第1章 「どうしてあいつは言ったとおりにできないんだ……」
成果を上げない部下をどうするか
第2章 「どうしたら信頼されるんだろう……」
部下との距離をどうするか
第3章 「あいつとは、うまくやれない……」
「気に入らない」部下をどうするか
第4章 「会社に一体感がないなあ……」
社員が伸びる環境、ダメな環境
第5章 「ダメだ、自信がないよ……」
困難の乗り越え方
ちょっと試してみたい簡単トレーニング
あなた自身の「存在」の力――あとがきにかえて
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