2008年4月5日

『勝間式「利益の方程式」』勝間和代・著

【カンタンに管理できる利益の方程式とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492556060

本日の一冊は、マッキンゼー時代に数多くの企業の利益改善に貢献してきたという著者、勝間和代さんが、企業の利益をカンタンに管理するための独自の方程式を公開。

具体的には、利益=(単価-獲得コスト-原価)×顧客数)というシンプルな式ですが、本文ではこの方程式に含まれる4つの変数について、どうすれば改善できるのか、具体的なケースを交えながらアドバイスしています。

単価を上げるための値づけの理論に始まり、顧客獲得コストを下げるための商品力開発や顧客選び、口コミ、さらには原価を下げるための手法や顧客数を増やすための考え方まで、過不足なく書かれて
います。

マクロ、ミクロの視点を併せ持つ著者だけに、企業や商品のライフサイクルを視野に入れた議論の展開は、じつに読み応えがあります。

あくまで入門者向けの本ということで、これ一冊ですべてを掘り下げることはできませんが、それも見越して、さらに学びたい人向けに著者のおすすめの書籍リストもテーマごとにつけられています。

4つの変数のなかでも、とくに最初の2つ、客単価を上げる方法と顧客獲得コストを下げる方法は、類書と比べ、心理学的要素をかなり含んでおり、現在、インターネットで商売している人には即・役立つ内容です。

現在企業にお勤めの方にとっても、経営センスを磨くのに適した内容だと思います。

ぜひ読んでみてください。

————————————————————
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
————————————————————

「利益ノルマ」による管理を達成するためには、
1.現場レベルでも日次管理ができる簡易な利益計算の方法
2.一人ひとりの報償が利益で決まる人事評価の制度
の2つの柱が必要になる

◆勝間式「万能利益の方程式」
利益=(顧客当たり単価-顧客当たり獲得コスト-顧客当たり原価)×顧客数

会社の価値を最も大きく決めてしまうのが顧客単価

最も儲かる商品は、顧客獲得コストがほとんどただの商品です。
すなわち、一度買った人が必ずリピーターになってくれて、かつ、
その商品の良さを勝手に口コミで他の人に伝えてくれるような商品

口コミの難点というのは、今来ているお客と似た層を呼ぶことはで
きるのですが、違う層にはアクセスできなくなるため、徐々にお客
が先細り、あるいは高齢化していく事態が起きてしまうこと

3つのランクがあった場合、まん中のコースを選ぶ人が多いため、
自分が望む顧客単価に顧客を誘導することができます

顧客獲得コストを下げるためには、顧客満足度を上げることが近道

顧客は初めのうちの顧客が一番金払いがよく、だんだんと価格感受
性が高い顧客に層がシフトしていくため、顧客単価は常に下方に動
こうとする力学が働く

◆価格に影響を与える要素
1.顧客がその商品に感じる価値
2.商品の原価
3.同業他社の同等商品の売価
4.顧客がその商品と同等の価値を感じる商品の売価

ミシュランの本はなぜ飛ぶように売れるかというと、これまで、ミ
シュランに載ったレストランに行けなかった人が、その憧れから眺
めて、レストランに行った気になるために買うから

顧客価値について例外なく、高い単価を得ることができる市場があ
ります。それは何かというと、自分の持っている大きな課題を解決
したいという根源的なニーズ、すなわち「コンプレックス」市場で
す(中略)コンプレックス市場とは、たとえば薄毛、肥満、英語、
しわ、シミ取り、豊胸、金儲け、出世、恋人探し、子どもへの教育

商品の利益で儲けるよりは、その後の金融サービスで儲けた方が得
になるケースが多い

ヒューリスティックが存在するということを前提に、顧客へのメッ
セージは組み立てる必要がある

経営コンサルタントの間では、「粉もの屋は儲かる」というのが常識

————————————————
『勝間式「利益の方程式」』勝間和代・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492556060
————————————————

◆目次◆

第1章 なぜ、利益の概念が必要なのか
第2章 利益はどう計算するのか
第3章 利益を上げる方程式の解き方
第4章 原則1 どうやって顧客単価を上げるのか
第5章 原則2 どうやって顧客獲得コストを下げるのか
第6章 原則3 どうやって顧客原価を下げるのか
第7章 原則4 どうやって顧客数を伸ばすのか
第8章 明日からできる行動習慣

この書評に関連度が高い書評

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー