2008年7月7日

『あたらしい戦略の教科書』酒井 穣・著

【課長の教科書に続編!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887596448

本日の一冊は、10万部ベストセラー『はじめての課長の教科書』の著者、酒井穣さんによる待望の第2弾。

※参考:『はじめての課長の教科書』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887596146/

ご存じない方のために説明すると、酒井さんはヨーロッパトップクラスのビジネススクールを首席で卒業し、MBAを取得。

現在は、ウェブアプリケーションを開発するベンチャー企業でCFO(最高財務責任者)、母校のビジネススクールでも教鞭をとるほどの活躍ぶりです。

今回の本は、そんな著者が、戦略論の基本と情報収集・分析、そして戦略実行のプロセスまでを、わかりやすく論じた一冊。

一般のMBAのイメージからは想像できないウェットな視点がこの著者の持ち味ですが、今回の戦略論も、時代の変化や現場での実行を踏まえた現実的な議論で、じつに参考になります。

個人的には、著者の人間観が色濃く出た前作の方が魅力的でしたが、こちらも戦略の教科書として、じつにわかりやすい良書です。

経営者として、正しい意思決定ができるようになるために、またこれから経営者を目指す人が経営センスを身につけるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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すべての問題の原因は、必ず過去にある

優れた戦略を立てるためには、現在地の確認が鍵になる

仮に目的地にたどり着けないとしても、目的地と現在地とを結ぶた
めの戦略を育て続けるという態度が、業績を向上させる

「我々は変わらなければならない」という点において同意できない
人が、戦略プロジェクトの中心メンバーになることは、戦略的には
致命的です

最も危険な状況において、大ざっぱで古い知識しか持たない者(ビ
ジネスでは経営者と呼ばれる人々)が、空母の艦橋に座っているか
らというだけで間違った指令を出すことほど、悲惨な結果を招き入
れる原因はない

◆できる限り正確に未来を予測する方法
1.なるべく近い未来を予測する
2.未来を自らの手で作り出してしまう
3.現状から、未来を予測する

「すでにそこに起こっている未来を探せ」(ピーター・ドラッカー)

ライバルとの勝負では、まずはライバルとの間に「情報力の格差」
を持つことが重要

◆取得すべき情報の優先順位
顧客情報>自社情報>業界のマクロ情報>競合情報

競合と競うべきなのは「どちらがより顧客を理解しているのか」と
いう一点

人は、他人にオススメするような製品には、自分のアイデンティテ
ィを投影します

優れた目標というのは、まず第一に、そこにいる人々のモチベーシ
ョンを有効に高める

戦略の立案を密室で行うことは、犯してはならない「現代社会のタブー」

トップの地位につくということは、「顧客の頭の中に消えないメッ
セージを刻み込む」ということ

「ブレイクスルー」とは、それまではトレードオフだと思われてい
たことを、これまでになかったあたらしいアイデア一発で解消して
しまうという行為

やめるべきことを常に探す

無難であることは、一流になることの敵である

本当に優れた戦略には、「私」と「あなた」という戦略の当事者し
か存在しない

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『あたらしい戦略の教科書』酒井 穣・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887596448
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◆目次◆

はじめに
第1章 戦略とは何か?
第2章 現在地を把握する
第3章 目的地を決定する
第4章 ルートを選定する
第5章 戦略の実行を成功させる
あとがき

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