2010年8月15日

『「超一流」の構想術』中谷彰宏・著 vol.2216

【中谷彰宏、ヒットメイクの法則を語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4904336100

この数日間は、机まわりを片づけては本を読み、片づけては本を読み、を繰り返しています。

本日ご紹介する一冊は、そんな中から見つけた、掘り出し物の一冊。

ベストセラー『面接の達人』をはじめ、数多くの著作物を世に出し、セミナー講師としても大活躍中の中谷彰宏さんが、コンテンツビジネスで成功する方法、そしてヒットメイクの法則を明らかにした、玄人向けの一冊です。

著者は、「構想」と「発想」を対比させながら、<発想は、「ゼロから1」の作業><構想は、「1から2」、さらに無限大に進むやり方>と論じています。

若いうちはついつい、ゼロから1を生み出す「発想」の方に目が行きがちですが、ビジネスをきちんと軌道に乗せるには、「構想」の方がずっと大事。

本書では、そのことに言及したうえで、では具体的にどうやってコンテンツのシリーズ化をはかるか、商売の連鎖を実現するかを説いています。

本書が出されたのは、今からちょうど2年前ですが、この時期に出版物のデザインの重要性に触れているのは、さすがといったところ。

本作りのヒントについても言及されているので、出版関係者、著者は必読の一冊です。

エリエスでも、中谷さんのセミナーを過去に一度行いましたが、中谷さんのブランド論、執筆論には注目すべきものがあります。

※参考:「愛され続けるブランド人の秘密」

通常の中谷ファンに受けるかどうかはわかりませんが、クリエイティブな仕事に携わる玄人にとっては、価値のある一冊だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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発想では、「花」を売ります。構想では、「花言葉」を売ります。これが発想と構想との違いです。

発想型の人は花を買います。彼女のプレゼントに「バラを100本」という買い方をしています。これは物量作戦です。物量の勝負に出ると、バラを200本持ってきた人に負けます

モノはたまたま関係づくりのキッカケになっているにすぎないのです。「モノづくり」よりも「関係づくり」が大切です

発想は、「ゼロから1」の作業です。
構想は、「1から2」、さらに無限大に進むやり方です

「5つ考えてください」と言われてバラバラに企画を5つ考えるのは、発想です。構想は、この5つを連続性で考えます。これには軸と方向性が必要です。自分たちは、今どこへ向かおうとしているのかということです

新しいお客様を探すより、同じお客様に新しい商品を売る

1人のお客様に徹底的につきあうのです

構想力は逆から考えます。まずデザインから入って、「このデザインに合う機能は何か」と考えるのです。デザインは、結局はお客様とのコミュニケーションです

「ワインを売る時にクルミ割器をつけたら売れた」という話をする時に、「それは別のビジネスの話だ。うちにはクルミ割器は関係ないし」と言う人がいます。そうではなく、「うちにおけるクルミ割器は何だ?」と考えることです

1000人単位を1個より、10人単位を100個のほうが、はるかに強いビジネスになるのです(中略)単位を大きくすると、お客様1人1人のモチベーションはきわめて低くなります。一番大切なのは、お客様1人1人のモチベーションを上げることなのです

アイデアをひとり歩きさせるには、お客様が学習していく部分が必要

実は、興味は前パブより後パブにあります。後パブを打つことで、次につながっていくのです

銀行ではなく銀行強盗からお金を奪うという発想が、構想力

いつまでも『面接の達人』と呼ばれているようではいけません。ヒット商品は、必ず愛称で呼ばれます。実は、1冊目の本からアルファベットで「MENTATSU」とこっそり入っています

テロは、必ず同時多発を狙います。小さい爆発でも、同時期に起こると、何かすごいことが起こっているんじゃないかと思います

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『「超一流」の構想術』中谷彰宏・著 ファーストプレス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4904336100

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◆目次◆

プロローグ 花ではなく、花言葉を売る。
PART1 無限大へ、具体化する。
PART2 小さく産んで、大きく育てる。
PART3 生活に「物語」を提供する。
PART4 自由自在な、アングルを持つ。
エピローグ ベストセラーより、ロングセラーを目指す。

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