2011年12月25日

『成毛眞の超訳・君主論』成毛眞・著 Vol.2713

【成毛眞が君主論を?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4840143455

本日の一冊は、マキアヴェッリの名著『君主論』のエッセンスを、マイクロソフト元社長、成毛眞さんが解説した一冊。

※参考:『君主論』
http://www.4122040124.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122040124

『君主論』に関しては、塩野七生さんの『マキアヴェッリ語録』はじめ、関連書をいくつも紹介してきましたが、この『成毛眞の超訳・君主論』は、経営者が書いているという点で、異色の一冊。

※参考:『マキアヴェッリ語録』
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マイクロソフト時代のビル・ゲイツ、スティーブ・バルマーとのエピソードや、じつは金持ちに見せていただけのガンジーの話、成毛さんご本人がやっていたマネジメントの話など、さまざまなエピソードが追加されているのが、最大の魅力でしょう。

『君主論』という題材の性格、そして「大人げない」成毛さんのキャラクターから推察されるように、内容はきれいごと抜きの、ぶっちゃけマネジメント論。

一生平社員の人間が読めば、無性に腹が立ってくる一冊。マネジメント層が読めば、身の引き締まる一冊。

人心掌握に関する、本当の話を知りたい方だけ、読んでください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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誰にでも優しいリーダーなどあり得ない。誰にでも公平に接するリーダーなどあり得ない

平時と非常時では求められるリーダーが異なる。「人は褒めれば伸びる」「話し合えばわかり合える」といったキレイゴトを信じているお人好しでは、この乱世で舵取りはできないだろう。人は平気で裏切るし、欺くし、怠ける。それほど信用できないものなのだと、マキアヴェッリは厳しく説く

悪徳も、時代や状況によっては正義になる

よく「誰からも好かれる人になれ」といった本を見かけるが、これは君主になるのを説いている本ではない。従者の論理を説いているのだ。誰からも好かれる人は、八方美人である。人によって意見を変えないと好かれるはずなどないのだから、自分の意見など持っていないに等しい

嫌われ者になれば、自分のやりやすいように仕事を進められる

ガンジーの秘書を長年務めていた女性が、ガンジーの死後述懐したところによると、「あのガンジーに貧しい暮らしをさせるために、周囲がどれくらいお金を使っていたかしれやしない」そうだ。ガンジーにはビルラという財閥がパトロンについて、財政支援をしていたという

生涯続く栄光などないし、運命は誰にでも平気で残酷な仕打ちを与える場合がある。それを知っておけば、成功に溺れることはないだろう

たとえ不遇な目にあっても人生は短い。それでも、自分のやりたいことをしっかりと持ち、最後まで貫き通そうとする人生は、羨ましいぐらい自由である

以前、ビル・ゲイツが来日して東京のオフィスに来たときに、開口一番、「オフィスの入り口の足拭きマットは必要か?」と言った

理想は、予測不能なリーダー

「目先だけでなく、遠い将来の不和についても心を配れ」

私の経験則で言うと、人は貸しをつくった相手を覚えているが、借りをつくった相手はあまり覚えていない

アカイアの君主フィロポイメンは、友人と散歩しているときでさえ、「敵があの丘を占拠したら、どう戦えばいいのか」と議論を交わしていた

人間は無目的で生きていけるほど強くはない

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『成毛眞の超訳・君主論』成毛眞・著 メディアファクトリー
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◆目次◆

はじめに 今こそ強いリーダーが求められる時代
第1章 マキアヴェッリはビジネスマンの教師である
第2章 『君主論』はこれだけ知れば大丈夫
第3章 『君主論』を体得すれば人生が変わる
第4章 これから頑張る人が『君主論』を読むべき理由
付録 もっと知りたい人のためのブックガイド

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