2011年12月16日

『勝ち続ける経営』 原田泳幸・著 Vol.2704

【マクドナルドV字経営の秘密】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023310166

本日の一冊は、7年連続マイナスの売上高を、一転、7年連続プラスに変えた、日本マクドナルドの代表取締役会長兼社長兼CEO、原田泳幸さんによる講演録。

原田氏の書籍は、これまでにも何冊か読んでいますが、この方は、講演の方が、言葉が乗っていいですね。

本書では、氏がどうやってマクドナルドをV字回復に導いたのか、そのポイントを公開。

業績低迷時に社長がやるべきことを明確に語ったという点で、役立つ本だと思います。

連続プラスになった7年間、氏が唱えたのは、「基本に立ち返れ。基本以外は何もするな」でした。

不況時に、新しいものにあれこれ手を出すと、かえって経営資源を分散させる、というのがその理由です。

では、その代わりに何をすればいいか。

お金を生み出す「キャッシュ・カウ」をもっと売るために、何をすればいいか考える、というのがその答えです。

本書には、そのために著者が投入した「クォーターパウンダー」や、「コーヒー」の例が紹介されており、じつに参考になります。

経営に対する戒めあり、キャリアに関する教訓あり、そして具体的なエピソード・事例あり。

じつに読み応えのある一冊でした。ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私が就任してから今日まで、売上高は7年連続マイナスから7年連続プラスになりましたが、このときに行ったことをひと言で表すならば、「基本に立ち返れ。基本以外は何もするな」だったのです

業績が低迷しているときにいろいろなことをやり過ぎる。つまり基幹ビジネス以外の新規ビジネスに手を出したがる。業績不振だから本来のビジネスに危機感を覚え、「新規ビジネスでもう一本柱を立てておこう」となりがちなのです。結果、経営資源が分散してしまいます

マクドナルドもこのコアのビジネス、つまりハンバーガーを売るという基幹ビジネスがマイナスのときに、新規ビジネスをやろうとしていました。私も入社してビックリしましたが、一時はカレーライスやチャーハンを出していたそうです

マクドナルドでクォーターパウンダーが売れると、ビッグマックがもっと売れるんです。コーヒーが売れると、ビッグマックがもっと売れるんです。これがわれわれの戦略であり、正しい姿なのです。基幹ビジネス、コアのメニューをもっと売っていくために、新しいメニューを出していくのです

次の成長のためには、目の前のおいしいものも捨てることが必要

そもそもレストランビジネスの基本はおいしいものを提供することです。ですからまず私はそれまで不評だったハンバーガーなどのつくり置きをすべて撤廃しました

ダメになった会社はすべて「らしさ」を失っている

お客さまのおっしゃることと、実際の行動はまったく違う

お金を生み出す「キャッシュ・カウ」を把握する

継続的な成長のためには継続的な価値の向上しかない

コストを減らすとは、投資をすること

リサーチで企画するな

コモディティかつ独自性のある商品が成功する

キャリアとは周りから来るものと思ってください。その日、その日、自分の命題に関して周りが期待する、上司が期待する以上の結果を出せと。そういうことをずっと考えていれば、キャリアというのは必ず周りから来る

私は社員によく言っています。教育とはトレーニングに行かせることじゃないと。本人が今やっている以上のことをやらせることだと

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『勝ち続ける経営』原田泳幸・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023310166

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◆目次◆

第1章 基本に立ち返り「らしさ」を取り戻せ
第2章 7年間の経営改革(1)
フレンドリーであるか、コンビニエントであるか
第3章 7年間の経営改革(2)
アウトスタンディングであるか、イノベーティブであるか
第4章 原田流ビジネス理念
特別付録 セミナー時に寄せられた質問&回答

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