2011年12月7日

『ハーバードビジネススクールが教えてくれたこと、教えてくれなかったこと』 ビル・マーフィー・ジュニア・著 Vol.2695

【起業!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484111179

アメリカのベンチャーキャピタリストのほぼ7人に1人、フォーチュン500企業の5分の1を輩出しているという、ハーバード・ビジネススクール(HBS)。

本日の一冊は、そのハーバード流の起業家精神が学べる、じつに興味深い一冊です。

忙しい女性富裕層の心を捉え、高級小売店の起業で成功したマーラ、インターネット関連企業を2社立ち上げ、売却したクリス、人材ビジネスで成功したマーク。

HBSを卒業した3人の経験をたどり、そこから導き出された「成功するための10のルール」を解説した、他に例のないスタイルの書籍です。

目次を見るとわかるように、卒業から10年の軌跡を追っており、その間に彼らが体験した成功や困難、挫折などを追体験することができます。

起業したいけれども、どんなものか想像できない、という方、また具体的にどうすればいいか学びたい方に、おすすめの一冊です。

キャッシュの話やセールス、リーダーシップの話、選ぶべきビジネスの話まで、起業で成功するための勘所がビシッ、ビシッと押さえられており、起業経験者としては、頷ける内容です。

読み物としても楽しめるので、これから起業する方は、ぜひ一読をおすすめします。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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初めてのベンチャーはたいてい失敗する

ほとんどのベンチャー企業は、地味で変動の乏しい業界で誕生する

上司はマークの営業成績と彼の取り分を計算した表を見ると、心底ショックを受けた様子で、「これは無理だ」と言った。「これでは社長の報酬よりも多くなってしまう。君は新入社員だ。無理だね」マークは猛烈に抗議したが、上司は3分の1をやるという約束を覚えていないと言い出した。口約束を信じた自分が甘かったと、マークは悔やんだ

「私自身は従業員の生活の糧を奪う立場に立てるだろうか」とマーラは書いている。いつか自分が企業のシニアマネジャーになったら、人を雇うことに責任を持ち、従業員に自分が守れない約束はしまいと誓った。「お粗末な経営のツケを組織の末端が払わされるのはフェアだとは思えない」

歴史的にHBSの学生の多くは「ENTJ」と診断される。外向的(extroverted)で直感的(intuitive)かつ分析的(thinking)で価値判断的(judging)ということだ

「起業家になるということは、営業マンになるということだ。君たちはひたすら売り込み続けなくてはいけない。まだ自分の会社が存在しないときから自分を投資家に売り込み、未来の社員や顧客に会社の理念を売り込む。まだちっぽけで資金繰りも不安定な会社をサプライヤーに売り込む。『自分は成功する』という確信を他人に売り込むのだ」(シャウ教授)

失業者は有職者よりも起業する可能性が2倍高い

起業家として成功したいなら、大学に進学したほうがいい。大卒者が立ち上げたベンチャー企業は、高卒者が立ち上げた企業よりも売り上げが25%大きい。また大学院修了者が立ち上げた会社のほうが、4年生大学卒業者が立ち上げた会社よりも業績が40%高い

苦痛を取り除くビジネス(ペインビジネス)は重大な問題を解決するものであり、人はそのためにカネを払うことをほとんど躊躇しない。これに対して楽しみを増やすビジネス(プレジャービジネス)はそれほど差し迫った問題を解決するわけではない。素晴らしいときもあるが、成功率は低くなる

「人と出会う最高の手段は情熱だ」(マーク・セネデラ)

「教えるのが上手な人からコツを学べる仕事を選べ」と、ある創業者は言った。「それから報酬は優先順位の最後にすることだ」

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『ハーバードビジネススクールが教えてくれたこと、教えてくれなかったこと』ビル・マーフィー・ジュニア・著 阪急コミュニケーションズ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484111179

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◆目次◆

HBS入学まで─生い立ち
卒業まで─ハーバード
1年目―就職
2年目―挑戦
3~4年目―激震
5年目―復活
6年目―飛躍
7年目―変化
8年目―転機
9~10年目―新たなステージ
次の10年へ―危機を乗り越えて

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