2017年10月7日

『英文パワーメール』小林誠、ダニエル・ブルックス・著 vol.4826

【プロの英文メール書き方指導】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478101922

本日ご紹介する一冊は、PENTAX/HOYAで約30年、医療機器関係の海外営業に携わり、ドイツ駐在、シンガポール支店長、本社の医療機器関係事業部の営業部長などを務めた著者が、イギリス出身のネイティブ監修のもとに、英文メールの書き方を指南した一冊。

著者はこれまでに海外と約2万通のメールをやり取りしており、その知見をもとに、JETROの中小企業海外進出支援専門家として、英文メール、海外交渉のノウハウを教えているそうです。

最近思うのですが、日本のビジネスパーソンがなかなかビジネス英語ができるようにならないのは、英語教育の世界にビジネスのプロがいないからではないか。

特に、外国人教師は「ネイティブ」を連呼するだけで、「ビジネスパーソンとしてどうなの?」という方が多いですよね。

ニューヨークに行って感じたのは、ビジネスではネイティブ/非ネイティブの格差よりも、デキる人/デキない人の語彙格差、表現力格差の方が大きい。

そこで、本日ご紹介したいのは、まさにビジネスのプロがどうやってメールを書いているか、どんなことに配慮し、どんな表現を使うのか、をまとめた本。

「残念なメール」→「書き直したパワーメール」→「ネイティブのリライト」というように、ステップアップした表現を学べるので、じつに実践的です。

催促や謝罪、面倒な依頼、相手に非があって出荷を遅らせなければならない時などの微妙な表現が満載で、英語を学ぶというよりは、ビジネスコミュニケーションを学んでいる感覚です。

さっそく、気になった表現を見て行きましょう。

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出だしは”Thank you”というポジティブな言葉から

さらに最後をポジティブな言葉で結び、後味を良くして終わる

メールを書くときに、Thank youから入るのはとても良いのですが、2度3度Thank youを書くと、相手に対してへりくだった格好になってしまい、こちらの立場は弱くなっていきます

Our new sales manager, Mr.Nakamura, would like to invite you for dinner on the evening of the 15th.
Please let us know if this is convenient for you,or if you have any dietary requirements.
我々の新しい営業課長である中村が、15日の晩に夕食にご招待したい意向です。ご都合はいかがでしょうか。また、もし食事についてのご要望が何かありましたらお聞かせください。

気軽に依頼するな。お願いするときは相手の利益になることも書く

不都合なことを言うときはweを主語にしない

ネガティブな話題では、ポジティブな部分を探す

不都合なことを書くときは、まず状況説明。次に「その状況がそうさせた」と書く

「不利になる言葉」の近くに「we」「our」を置かない

Sorryは1回でキメる。何度も謝らない

究極の謝罪メール6ステップ
1.Thank youから入る(”Sorry”を最初に書かない)。
2.まずは状況説明。
3.相手が状況を理解した頃に「この状況がそうさせた」。
4.相手が仕方がないと思った頃を見はからって、初めて“Sorry”を書く。
5.謝る範囲を狭く限定。
6.最後はポジティブな言葉でしめくくる。

究極の催促メールは、相手がやってくれているものと見なして、手助けを申し出る。
It has been one month since we last met, and I hope everything is running smoothly at your company.
I would like to ask if there are any updates regarding project ABC. If you need any additional information,or if we can be of assistance, please don’t hesitate to contact us.

We hope this proposal is acceptable, and we look forward to hearing from you in due course.
この提案がご承諾をいただけるものであることを願っており、ご都合の良いときにご返事をいただけることを心待ちにしております。

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最後になぜか「ケーススタディ10」というのがまとめられていますが、実際には本書すべてがケーススタディであり、それだけに読むのには骨が折れます。

ただ、ある程度英語がわかっている方であれば、より洗練された表現を学びながら、ビジネスコミュニケーションの真髄が学べるはず。

これは、良い本を見つけました。

ぜひ読んでみてください。

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『英文パワーメール』小林誠、ダニエル・ブルックス・著 ダイヤモンド社

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◆目次◆

第1章 ビジネスで差がつくパワーメールはこう書きなさい
第2章 依頼、催促、謝罪、提案…鉄則を使ったケーススタディ10

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