2013年12月30日

『ゆるす言葉』ダライ・ラマ14世・著 vol.3450‏

【新年を迎えるための心の整理】
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以前、ダライ・ラマが序文を書いた『ゆるし』という本を紹介した際、読者の方から大きな反響がありました。

※参考:『ゆるし』
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お便りをいただいた方のうち、一人は家族関係で深刻な問題があったらしく、旦那様の方はゆるすつもりでいたのに、結局奥様の方が自分をゆるせず、関係が壊れてしまいました。

ことほどさように、ゆるすというのは、難しいことなのです。

今年一年、みなさんのところでも、きっとさまざまな問題が起こり、怒りや恨みなど、負の感情を持ったことでしょう。

ただ、それを来年にまで持ち越すのは、決して得策ではありません。

なぜなら、結局怒りや恨みは、自分を傷つけてしまうからです。

本日ご紹介する、ダライ・ラマ14世の『ゆるす言葉』によると、<ゆるしとは「相手を無罪放免にする手段」ではなく、「自分を自由にする手段」>。

もしわれわれが永遠に誰かを「ゆるす」ことができないとしたら、それは永遠に自由や幸福を実現できないことを意味するのです。

とは言っても、嫌なものは嫌だし、ムカつくものはムカつく。

そう思うのなら、ぜひ心を鎮めるために、本書を読んでみてください。

いかに自分が他者によって生かされ、他者を思うことによって救われるかがわかるはずです。

「他人に対して感謝すること」は、自己啓発書の王道テーマですが、これに関して、本書ではこう記述されています。

<今の自分の幸福があるのは、すべて他人の勤勉な努力のおかげです。自分の周囲を見まわして、住んでいる家も、働いている建物も、使っている道路も、着ている服も、食べている食物も、すべて他人が提供してくれたものであることを認識しなくてはなりません。見知らぬ無数の人々の親切がなかったら、これらのどれ一つとして存在せず、享受することも利用することもできないのです。>

そして、先行きの不安に悩まされている人は、この言葉を読むと救われます。

<不安に対処する有効な方法は、自分のことを考えずに、人のことを考えることです。本当に人の困難を目にすると、自分のそれは大したことではなくなります。>

多くがゼロリセットされ、まったく新しく生まれ変わる時代、頼りになるのは己の心だけ。

その心のメンテナンスをする上で、本書はきっと役立ってくれるはずです。

年末の読書に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人類、さらにはすべての生きとし生けるもの──人間も動物も──には、幸福を求め平和に暮らす権利があります。これとは反対に、他人に痛みや苦しみを与える権利を持つ者など一人もいません。

ゆるしの気持ちを身につければ、その記憶にまつわる負の感情だけを心から手放すことができるのです。ゆるしとは「相手を無罪放免にする手段」ではなく、「自分を自由にする手段」です

思いやりの心は人生で成功する究極の源です。利己的な考え方は他者を害するだけでなく、まさに自分が望んでいる幸福を阻害します。

ほんとうの意味の思いやりは、まず自分自身に対して向けられるべきものと思います。まず自分自身に思いやりを持ち、それを周りの多くの人たちに向けて広げていくのです。つまり、自分自身を忌み嫌い、嫌悪しているような人は、他者を思いやることなど不可能なことだからです。

今の自分の幸福があるのは、すべて他人の勤勉な努力のおかげです。自分の周囲を見まわして、住んでいる家も、働いている建物も、使っている道路も、着ている服も、食べている食物も、すべて他人が提供してくれたものであることを認識しなくてはなりません。見知らぬ無数の人々の親切がなかったら、これらのどれ一つとして存在せず、享受することも利用することもできないのです。

不幸なことに、最も声をあげられない人々こそが、人権を奪われている人々なのです。したがって、こうした自由を享受している私たちこそが責任を負っているのです。

不安に対処する有効な方法は、自分のことを考えずに、人のことを考えることです。本当に人の困難を目にすると、自分のそれは大したことではなくなります。

正しい理由がある人は、一つ一つ例を挙げて話し合いますが、まともな支持のない人は直ぐ怒りに身を任せてしまいます。つまり、怒りは力ではなく、弱さのしるしなのです。

飢えている人がいるのに、自分だけが飽食してはいけないのです。心が痛む現実や、他の人が苦しんでいる状況をしっかりと見据えて、一人ひとりが考えていくべきです

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『ゆるす言葉』ダライ・ラマ14世・著 イースト・プレス
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◆目次◆

第一章 思いやり、愛するということ
第二章 自由と権力
第三章 祖国・チベットについて
第四章 再生、平和への道
ダライ・ラマ14世 記者会見
チベットの歴史
ダライ・ラマ14世の半生
ダライ・ラマ14世Q&A

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