2013年12月20日

『「勇気」の科学』 ロバート・ビスワス=ディーナー・著 vol.3440

【勇敢になる技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479794212

本日の一冊は、米ポートランド州立大学の心理学部講師で、ポジティブ心理学を専門とするロバート・ビスワス=ディーナー氏による注目の一冊。

2014年1月、NHK Eテレ「幸福学白熱教室」に著者が出演するということで、直前に出された本ですが、内容は『「勇気」の科学』。

誰でも勇敢になれるスキルを書いているということで、起業家・投資家には気になる一冊です。

本書には、読者が勇気ある人になるための心理学原理がたくさん紹介されており、みなさんが人生を歩む上で、重宝する内容です。

興味深かったのは、「他人を助ける気持ち」や、「自分を良く見せたいという気持ち」、「怒り」、「迷信」が、恐怖を克服する原動力になるということ。

これらのなかには、今どき否定されがちな概念が含まれていますが、じつは、それが「勇気」には欠かせないようです。

裏返せば、現代人はこれらを否定しているからこそ「勇気」が足りないと言えるかもしれません。

本書によれば、怒る人はそうでない人に比べ、対決型のゲームで良い成績を挙げたり、自分の要求を認めさせるのに成功しやすかったりするそうで、そう考えると、怒りの感情も悪くないようです。

人生で勝利するには、結局、感情のコントロールが必要なわけですが、本書はそのためのヒントを与えてくれる一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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誰にでも勇気はある

私の期待とは裏腹に、部族の人(マサイ族)は自分たちの幸福感については、ほとんど興味がなさそうでした。彼らが関心を持っていたのは、草原での日々の暮らしのなかで生き抜くための技術だったのです

勇敢に生きることは、よく生きることと同義である

最も高い評価を受けた行為は「他者を助けるために自らの生命を危険にさらすこと」

勇気には他者に伝染する効果があります。弱者を擁護する、信念を貫く、交通事故に遭いそうな他者を救うなどの行動を見ることで、人は同じような行動をとろうとするのです。そして、だからこそ勇気には価値があるのです

ヒスパニックやアフリカ系アメリカ人などのエスニック集団では、白人と比べて約二倍も勇敢な行動をとる可能性が高い

警察官や消防士などの高リスクの専門職を含め、勇気指数が最も高かった(恐怖の値が最も低く、行動意志の値が最も高い)のは企業経営者でした

「他人を助ける気持ち」が意志力を高める

他者に自分を良く見せたいというある種の自己中心的な考えから、他者を助けるための行動へ向かうことがある

将来についてのはっきりとしたイメージをもっていなければ、大胆な行動はとりにくい

怒りを感じている人は、問題解決のための迅速な行動をとる傾向があるため(それが攻撃的な行動であったとしても)、短期的な目標を達成しやすくなります。マヤ・タミールらの研究では、腹を立てている人は、そうでない人に比べ、対決型のゲームで良い成績をあげることがわかっています

腹を立てていた客は、多くの払い戻しを得ることと、自らの要求を相手に認めさせることに成功しやすいともわかっています

超自然的な力を信じることは、勇気を高める効果的な手段になり得る

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『「勇気」の科学』ロバート・ビスワス=ディーナー・著 大和書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/ 4479794212

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◆目次◆

第1部 勇気とは何か
第1章 自分の勇気指数を知る
第2章 勇気を測定する

第2部 恐怖をコントロールする
第3章 感情のシーソーに乗る
第4章 魔術的な思考を活用する

第3部 行動意志を強化する
第5章 権威に抵抗する
第6章 傍観者にならない
第7章 あえて失敗する

第4部 勇気を実践する
第8章 実験室を出て、現実の世界へ

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