2012年9月24日

『マイケル・ポーターの競争戦略』 ジョアン・マグレッタ・著 Vol.2988

【マイケル・ポーター競争戦略のエッセンシャル版】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415209320X

ハーバード・ビジネス・スクールが誇る戦略論の権威であり、学術界では、経済学と経営学で最多の引用回数を誇る、マイケル・E・ポーター。

戦略論のバイブルと呼ばれる『競争の戦略』が読みこなせずに、挫折した方も多いのではないでしょうか。

※参考:『競争の戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478371520

本日ご紹介する『マイケル・ポーターの競争戦略』は、ポーター教授が全面協力し、完成した『競争の戦略』のエッセンシャル版です。

著者は、ハーバード・ビジネス・スクールで経営学修士号を取得後、ベイン・アンド・カンパニーのパートナーを経て、権威ある『ハーバード・ビジネス・レビュー』の戦略担当編集者となったジョアン・マグレッタ氏。

1990年代初頭からマイケル・ポーター教授と数多くの仕事を共にし、現在はポーター教授の主導する「ハーバード・ビジネス・スクール競争戦略研究所」のシニア・アソシエートとして活躍しています。

本書では、そんな著者が、ポーター教授の有名な言葉、<戦略の本質は、何をやらないかを選択することだ>に従って、「学術」「すべての要約」などの、経営者・管理職にとって無用な部分をカット。

ポーター教授が主張した「競争優位」「バリューチェーン」「ファイブフォース(五つの競争要因)」「差別化」「トレードオフ」「適合性」など、戦略を学ぶ上で必須の概念を、ZARAやIKEAなどの最新事例を盛り込みながら説明しています。

<割高な価格を要求できることが、差別化の本質である>
<堅牢な戦略には、一般に複数のトレードオフが組み込まれている>
<優れた戦略をもつ企業は、戦略を損益計算書に直接結びつけている>

など、経営者にとって値千金の言葉がずらりと並び、これからの戦略を考える上で、じつに参考になります。

また、本書の巻末には、ポーター教授と著者のインタビューが収録されているのですが、ここでのポーター教授のアドバイスが興味深い。

<あらゆる間違いのうちの最たるものは、最高を目指して競争することです>

品質競争に陥りがちな日本企業には耳の痛い指摘ですが、一方で、海外進出に際して救いとなる助言もあります。

<海外市場に進出するといっても、市場全体を対象とするわけではありません。自社の製品・サービスを高く評価してくれるセグメントを探すのです>

古典といって侮ることなかれ。

やはり、マイケル・ポーター教授の競争戦略論には、いまもビジネスのヒントが満載なのです。

『競争の戦略』で挫折した方はもちろん、おさらいしたい方にも、おすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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戦略の本質は、何をやらないかを選択することだ

◆競争が最も激しくなるケース
・競合企業が乱立しているか、規模と影響力においてほぼ互角
・業界の成長が鈍い
・撤退障壁が高いと、業界から企業が退出しにくくなる
・競合企業が事業に対して道理に合わない執着をもっている

真の競争優位をもつ企業は、競合他社に比べて低いコストで事業を運営しているか、高い価格を課しているか、その両方だ

割高な価格を要求できることが、差別化の本質である

バリューチェーンは、企業を戦略的に意味のある活動に分解する強力なツールだ。そうすることで企業は自らの競争優位の源泉、つまり価格の引き上げまたはコストの低下をもたらす特定の活動に焦点をあてることができる

業界で敬遠されがちな顧客を中心に戦略を構築

競争優位を得るには、競合他社と異なる選択をすること、つまりトレードオフを行なうことが欠かせない

堅牢な戦略には、一般に複数のトレードオフが組み込まれている

優れた戦略をもつ企業は、戦略を損益計算書に直接結びつけて
いる

変革を怠った企業がとかく注目されがちだが、ポーターはそれより大きいとまでは行かなくても、同じくらい大きな過ちがあると指摘する。企業は変化しすぎることがあるのだ。しかも誤った方法で

継続性があればこそ、サプライヤーや販売店など社外の関係者が、企業の競争優位に貢献できる

逆説的だが、継続的な戦略は、組織の環境変化への適応能力とイノベーション能力を高める

あらゆる間違いのうちの最たるものは、最高を目指して競争することです(マイケル・ポーター)

海外市場に進出するといっても、市場全体を対象とするわけではありません。自社の製品・サービスを高く評価してくれるセグメントを探すのです(マイケル・ポーター)

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『マイケル・ポーターの競争戦略』ジョアン・マグレッタ・著 早川書房

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415209320X
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◆目次◆

はじめに
第1章 競争──正しい考え方
第2章 五つの競争要因──利益をめぐる競争
第3章 競争優位──バリューチェーンと損益計算書
第4章 価値創造──戦略の核
第5章 トレードオフ──戦略のかすがい
第6章 適合性──戦略の増幅装置
第7章 継続性──戦略の実現要因
終 章 本書の実践的な意味
よくある質問:マイケル・ポーター インタビュー
ポーターを読み解くための基本用語集

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