2007年12月16日

『交渉学入門』

【交渉上手になる方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532490197

本日の一冊は、ハーバード・ロースクールで交渉学の権威、ロジャー・フィッシャーの教えを受けたという慶應義塾大学教授の田村次朗さんと、実務家として海外マーケティングに携わっていた一色正彦さん、交渉学を専門とする隅田浩司さんが共著でまとめた一冊。

タイトル通り、交渉学を学ぶための基本書で、交渉を成功に導くための考え方と心理テクニック、交渉をマネジメントするためのポイントがわかりやすくまとめられています。

アンカリングや二分法、BATNAといった交渉で大切な概念が登
場するほか、「グッド・コップ、バッド・コップ」「ドア・イン・
ザ・フェイス」「フット・イン・ザ・ドア」「ニブリング」などの
交渉戦術についても、コラムできちんと紹介されています。

どうすれば交渉で成功し、取引先と良い関係を継続できるのか。そ
の考え方と技術を学びたい方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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相互利益を目指してWin-Winでやるには、駆け引きしてはいけない、
と思いこんでいる人がいるが、それは大きな間違いだ。駆け引きの
ない交渉などないのである

相手をとことん追い詰めて仮に相手が合意したとしても、そんな合
意はいつか必ず破綻する。なぜだろう。それは、ビジネスの要諦は、
利益だからである。利益が出ない取引を強要された相手は必ず、あ
なたから離れていくだろう

カウンター・オファーが強力だと、逆に自分がアンカリングに引っ
かかってしまう

合意のメリットを感じさせるためには、クリエイティブ・オプショ
ンしかないのだ。そのために、相手の利益はどこにあるのか、それ
を確認する作業を行わなければならない

交渉相手から、イエスかノーかで答えを迫られたとき、頭の中で
「ああ、これは二分法だな」と思い出して、絶対にイエスかノーで
答えないこと

交渉相手から二分法で迫られたとき、「それはどういう意味ですか
?」「あなたの提案の中で、わからないところがあるので、教えて
ほしいのですが」と相手に質問してしまうのが、二分法を回避する
手段として有効

BATNAがないことが相手に知られれば致命的だ。そうなったら、
もう相手は譲歩することはないだろう

交渉というのは「協議事項をどの順序で話し合うか」によって、そ
の合意内容に大きな差が出ることが多い

関心が高い事項の中で、最も合意しやすいことから話し合うのが原則

アジェンダを整理して相手に提案することで、交渉の主導権を握る
ことができる

交渉で相手に受け入れてもらうためには、相手を説得するのではな
く、相手が自分から納得するように仕向けるのが鉄則だ。そのため
には、相手の発言を利用するのが一番効果的である

ビジネス交渉で、相手と決裂寸前になったとしよう。こういう場合
は、とにかくブレイク(休憩)を入れることである

中長期的なビジネスのためには、交渉においてリスクを共有してい
くことが重要

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『交渉学入門』
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┃▼目次▼
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┃ まえがき
┃ 第1部 交渉上手になろう
┃ UNIT1 プロのネゴシエーターはこうしている
┃ UNIT2 ロジカルに交渉する
┃ UNIT3 準備する
┃ 第2部 交渉をマネジメントする
┃ UNIT1 協議事項(Agenda)が大切
┃ UNIT2 相互理解と質問
┃ UNIT3 局面打開のための方法論
┃ 第3部 最良の合意を形成する
┃ UNIT1 クリエイティブ・オプション(創造的選択肢)を作る
┃ UNIT2 交渉を無事終了させる(クロージング)
┃ UNIT3 ビジネス交渉を成功に導くための方法論(チームマネジメント)
┃ 
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